家族の気持ちがバラバラな若菜家。 その仲を取り持ってきた母の玲子の脳にガンが見つかった。 突然の出来事に狼狽しつつも玲子のために動き出す父と息子たち。 だがそんなとき、父が借金まみれだったことや、 息子たちが抱いてきた家族への不満が露になる…。 近くにいながら最悪の事態でも救ってくれない人って何? 家族の存在意義を問う傑作長編。 ] 妻夫木聡、石井裕也監督「ぼくたちの家族」で初共演・池松壮亮と兄弟に エンタメ好きの友だちがくれた文庫。 表紙に妻夫木・池松の顔がでんと載ってるので、いつものように配役は誰がいいかなどと 考えずに、兄は妻夫木、弟は池松でイメージしながら、電車でほぼ読んだ。 では、両親は誰がやるのかという疑問は、調べたら 小さな会社の社長だが、やがて多大な借金を抱えてしまった父“克明”に長塚京三、 突然の脳腫瘍に襲われ少女化していく母“玲子”に原田美枝子 と出てた。 普通の家族にしては美しく、豪華メンバーです。 『若菜玲子は、’うなぎ’という単語が出てくるのに7分かかった…』 冒頭から、目が離せない、今後を踏まえるととても身につまされるすべりだし。 玲子のように同級生と一緒のときにこんなことになったらどうしよう~~ 郊外タウンの住宅ローン、父親の仕事の失敗、独立、長男の中学不登校、 次男の浪人の後の東京一人暮らし、長男の結婚など、次から次に 家族の問題がてんこ盛り。 出会った頃は『にこちゃん』などと呼んでた笑みをたやさなかった夫は、 いつしか外面だけが良い不機嫌男に変わっていた。 息子たちは出て行き、ふとしたときに差し込まれるような寂寥感におそわれる。 そんなきりきりした中、玲子は確実に壊れていくのだろうか、自ら(’物忘れ’と 検索するのはどんなに怖ろしいだろうか、などと思いながらの滑り出し。 長男妻夫木とその妻深雪、妊娠報告の両家顔合わせで、 唐突に変なことを言い始め、全員の前で玲子がおかしいことが発覚する場面は、 映画になったら、どうだろう?役者の演技が見どころになりそうです。 長男とその嫁の今後も暗澹たる気配が… ここからは、病気との闘い、その家族の闘いが始まります。 母の咆哮から始まって、兄の自覚、弟の希望、父の威厳、最後、ぼくたちは家族と、 章が進むごとに、少しずつ光が見えてきます。 最後に行く頃には、兄弟の嫁同士もいい雰囲気になるのですが、 この話の息詰るような、ツライ現実は、意外にどこにでもありそうです。 この作者は、’77年生まれだからまだ30代、それにしては、 女性たちの心情もよくわかってるようで、母玲子の気持ちも 嫁深雪の気持ちも、上手に描かれてました。 あとは、映画に期待です。
by kimikitak
| 2013-06-20 16:33
| 本
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