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脳はこんなに悩ましい

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池谷裕二/著 中村うさぎ/著

「先生! セックスのとき脳は何を感じているのですか?」――。
「コロッと脳に騙される身体」「なぜ人は平気で嘘をつくのか」「幸福を脳はどう感じているのか」など、
心と身体をめぐる疑問はすべて脳に通じる――。
かくも不思議で悩ましい脳の世界について、作家が研究者を徹底尋問。
「赤ワイン好きの女性は性欲が強い」「脳とうつ病の関係」など、
よそじゃ絶対聞けない超アダルトな脳科学!



ラジオで池谷先生のお話を聞いて、読まずにはいられなくて借りました。 
どこが~というと、遺伝子診断でそんなことまでわかっちゃうの~?というところ。 
アメリカでは、DNA診断も値崩れが始まって、勇気あるお二人は$99で、アメリカに
唾液を送って検査を受け、その結果も本書に載せられてます。 
何がわかるかというと、病気遺伝子(アルツハイマー、糖尿病、高血圧、心疾患など)の程度、
酒好きか、ヘロイン好きか、ニコチン好きかなどや、カフェインの分解の速さまでも。
アトピーやアレルギー疾患や、敏感な痛みセンサーを持ってるか、などなど。
運動能力も、池谷先生は短距離向きで、確かに俊足だったそうです。
IQの高さ、このあたりがいちばん怖いところ。
私は絶対低めなんだろうな~
先祖のルーツ、エリアで表示され、ちなみに中村うさぎは南米系。
IQも高めだそう。 
IT機器への好みも遺伝子によって決まるとか。 
ハゲか否か、肥満遺伝子、耳あかが湿ってるか乾いてるかなど、細々としたことまで。 
浮気遺伝子を持ってる人は離婚率が高いなど、多岐にわたってます。
こんな検査は私は絶対受けたくないですが、きっと肥満遺伝子があるんだわ、と納得。
韓国でも遺伝子検査は進んでいるらしく、それに合わせた道に進ませようという動きもあるようです。
DNA整形も可能で、新種の生命体を創作できる段階にきてるとのこと、まるでSF映画のような
ことも遠からずなのでしょうか。

この検査についての他にも内容は豊富。 
IQと大脳皮質の厚さは比例して厚いほどIQは高い。
今、120ある人でも小さい頃は薄かったという、成長プロセスで
厚みは変化するそうです。 20歳すぎればただの人ということも。

報酬系(快感を生み出す脳部位)があって、他人の失敗、他人の不幸を脳は嬉しがってこの部位が活動。
嫉妬の感情があると前帯上皮質(不安に関する脳部位)が働くなど、脳ってとても正直らしいです。
所持金が増えれば、報酬系が活動!

ネットの登場で脳の使い方も変わり、記憶力が落ちるなど脳のはたらきもかわる、
でも、時代が変われば目指す方向も変わるとのこと。 
膨大な英語資料が巻末に載せられてました、いったいこの先生の脳はどうなってるんでしょう? 
〆は、神に委ねるという方向に落ち着いて少しホッとしましたが、内容が濃くてあっさり読むことは
できません。

池谷先生の、上品で知的な語り口、中村うさぎのありのままって感じの鋭い突っ込み、
対談ものはあまり読みたくないと思ったものの、このかけあいは面白かったです。
by kimikitak | 2013-03-24 14:58 |
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