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最近の読書

最近の読書_e0117945_23122226.jpg天使のナイフ
生後五ヶ月の娘の目の前で惨殺された妻・祥子。
夫・桧山貴志は耳を疑った。
犯人は、十三歳の少年三人。
四年後、犯人の少年の一人が殺され、
桧山は疑惑の人となる。
少年たちの事件後を追う桧山に付き付けられた、
信じがたい真実、恐るべき過去――。

更生とは何か。本当の贖罪とは何なのか。少年法をめぐる論争の死角に迫るとともに、
”読み出したら止まらない”ミステリーの醍醐味を両立させた、
選考委員も絶賛の話題作、ついに刊行!! 第51回江戸川乱歩賞受賞作。
  
 
そろそろ忘れそうになっている、過激な内容にもかかわらず。
ちょっとずつ思い出す。 
主人公桧山は両親を交通事故で失っている苦労人、スタバのようなカフェを営んでいる。
そこでアルバイトしていたのが祥子。 
この話の登場人物は、生活の表面上見えてくるキャラではなく、
みな何かを隠し持っている、たたけばホコリなんてものじゃないところが
この話のミソでした。
その人物たちが思わぬところで繋がっているという
人間関係が、ちょっとありえない偶然と思ってしまいましたが。
それゆえ、結末は想像以上の展開となって、驚きつつ読みました。 
些細なことから嵌っていくイレギュラーな道。 
あのとき、こうしていれば…と思わずにいられないことの連続です。
少年法という壁にいどんだ作品、人物表現の妙でしょうか、読み応えがありました。 


最近の読書_e0117945_23405451.jpg
夜を急ぐ者よ 
ベストセラー「笑う警官」の佐々木譲が贈る渾身のハードボイルドサスペンス!
10年の空白を超えて、ひつの情念画燃え上がる。
追われる男と待ち続ける女として。
台風で荒れ狂う南国、那覇を舞台に、
かつて愛し合った男と女が劇的な再会を果たす。
しかし、男には執拗な追っ手が・・・・。
’70年代、荒井由美、映画カサブランカ、カート・ヴォネガット、
レイモンド・チャンドラー・・・・。
甘い香りとダンディズム
に満ち溢れた青春。
警察小説の第一人者である著者の初期を代表する名作。
佐々木譲ファン必読の1冊


初期の作品ということで、時代も70年代。 
池上冬樹氏の解説が素晴らしくて、内容の理解が深まります。 
いろいろ出てくる固有名詞は、佐々木譲の好みであろうということで
時代背景の説明も、懐かしさを覚えながら確認しました。
ただ、この話は期待した以上ではなくて、というか私好みではなかった。
主人公泰三にあまり魅力を感じなかったからかもしれない。
前に読んだ『夜にその名を呼べば』が、感動ものだったので、
こちらはちょっとゆるく、中だるみして、哀しい結末にも
あまり感情移入できなかったのでした。
解説では、素晴らしさは強調されてましたが、
私にはあの時代を思い出したノスタルジー的魅力のみが心に残りました。 

 
最近の読書_e0117945_23572945.jpg真昼の月をおいかけて橿原神宮、明日香、山辺の道…。
失踪した一人の男を捜して、奈良を旅する二人の女。
それぞれの過去と現在を手探りしながら続く、
奇妙な旅の行き着く先は?奈良を舞台に夢と現実が交錯する旅物語。 



奈良を旅するがごとくに読めるミステリーかと思って
手に取りましたが…
不可思議な話で、すごくおもしろいとはいえなかった。 
奈良を進んで行くのに、もっとワクワクするかと思ったのですが、
それが少々めんどうになってしまう成り行きでしたが、
がんばって読み進みました。 
途中、別役実の’愛のサーカス’という童話が、唐突に
入ったりするのですが、それは何故?と、理解に苦しんだり、
その他の引用にも、なかなかついていけなかったのでした。 
この話には、精神的な問題が多く、
『夜のピクニック』のようなすがすがしい話と違って、
かなり疲れましたが、結末は意外で、すべてはそこへ持っていくため
だったのかと、ようやくたどり着き、まあ途中投げ出さないでよかったです。  
by kimikitak | 2011-06-02 00:16 |
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