ここのところ
まわってきた本を受動的に読んでいて、 これはだいぶ前に読んでそのうち、 読んだことも忘れる可能性あり。 乃南アサの、直木賞受賞作 ’凍える牙’の 続編というので期待。 帯に書いてある宣伝文句も衝撃的で、 おもしろいであろうと期待も大きいのでした。 何しろ、先を読まずにいられないような ものに飢えていたので。 音道貴子という女刑事は、冷静でカッコイイ、 凍える牙のときに、すごくこの人を気に入って しまいました。 その彼女が拉致されるというのだから、尋常でない。 確かに、1冊目は、スルスルとあっという間に読み終わり ましたが、 2冊目になると急に、うんざりするほど 長く感じてしまいました。 音道さんが拉致されたあとの、膠着状態が 映像で見たら一瞬のことでも、文章となると やたら長くて、展開も行きつ戻りつ、かなり飽きて しまいました。 最後は、救出されるというのは決まってるし、な~んて 思って読むものだから、中だるみのまま、 それでも読了しました。 でも、まだそのだらだらした展開も思い出せるのだから それなりインパクトのある作品なんだろうと思います。 こちらは、短編が4つ。 やたら長い’鎖’に比べて、短くても実の詰まった感じ。 かなり昔(1993年)のものなので、今とは時代も違う、 とはいえ、あまり古さもなく、おもしろいというか 想像をめぐらして余韻をひく感じでした。 4作とも、もと刑事が別の仕事に就いてから遭遇する事件、 人間模様で、もと刑事というからには、 刑事を辞めざるをえない理由もそれぞれ。 ’父の来た道 ’では、大物政治家の運転手になったもと刑事、 その運転手の目を通して、政治の世界が描かれている。 政治の世界のおどろおどろしさもおもしろく、 この政治家の怪物ぶりもすごい。 この怪物は誰なんだろう? たぶん、だれかモデルがいるのでしょう。 その権力のもつ力の魅力、魔力、 それにとりつかれるとりまきも、あらがいがたい魅力をいつも 相手にしているのだろうと納得。 明日は選挙、さてどうなるのでしょう?
by kimikitak
| 2009-08-29 22:29
| 本
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