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はぶらし

e0117945_2013436.jpg10年ぶりに会った友達を、
どこまで助けたらいい?
揺れる心が生み出した傑作ミステリー!

脚本家の鈴音は高校時代の友達・水絵と突然再会した。
子連れの水絵は離婚して、リストラに遭ったことを打ち明け、
1週間だけ泊めて欲しいと泣きつく。
鈴音は戸惑いながらも受け入れた。だが、一緒に暮らし始めると、
生活習慣の違いもあり、鈴音と水絵の関係が段々とギクシャクしてくる。
マンションの鍵が壊されたり、鈴音が原因不明の体調不良を起こしたり、
不審な出来事も次々と起こる。
水絵の就職先はなかなか決まらない。
約束の1週間を迎えようとしたとき、
水絵の子供が高熱を出した。
水絵は鈴音に居候を続けさせて欲しいと訴えるのだが……。
人は人にどれほど優しくなれるのか。
救いの手を差し伸べるのは善意からか、
それとも偽善か。揺れる心が生む傑作ミステリー!


タルトタタンの夢 サクリファイスと 風合いの違うストーリーを2冊ほど
読んだと思う、ところが、今度のはとてもイライラするミステリー 
イライラするということは、そのぶん、その先が気になるスリリングな展開。
この手の迷惑な隣人やら、入り込んでくる人の映画は
よく外国映画で見る。そのイライラ感とほぼ一緒だけれど、 
他人事ながら恐怖感も味わうのである。 
タイトルの’はぶらし’ そこにすべてが表れているともいえる。
最初の日に、余分があれば歯ブラシを貸してほしいという水絵。
後日、歯ブラシは買ってきたけれど、新品もお金も返すこともない
水絵。 
たかが歯ブラシ、でもそのことに違和感を感じる鈴音。
そこがそもそものことの重大さを感じさせるしかけ。
他人を家にいれるといれるということは、それ相応の覚悟がいる。 
最近はやりのシェアハウス、それこそも大変そうと思えるが、
一人の空間から、他人と調和をはかる生活に、すっかり疲れた
鈴音の気持ちがよく伝わってくる。しかも無賃。 
結末はそれなりに、大きくなった水絵の息子のことばで
すべては明白になるが、全編を通して、ちょっと背筋が寒くなる
雰囲気をかもした話で、こわおもしろかった。 
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by kimikitak | 2015-11-13 20:39 |

サクリファイス

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ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。

勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、
冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。
初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。
それは、単なる事故のはずだった――。
二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、
押し寄せる感動! 青春ミステリの逸品。



タルトタタンの夢で、ご馳走ミステリーを堪能、同じ著者が書いた全く違う
テーマ、自転車競技のミステリ-、これもおもしろかった。 
続編もあるようで、この興奮のあとゆえ、そのうち読みたいと思います。
   ↓ 

あの『サクリファイス』の続編、遂に登場。今度の舞台は、ツール・ド・フランス!

あれから三年――。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。
だが、すぐさま彼は、チームの存亡を掛けた駆け引きに巻き込まれ、
外からは見えないプロスポーツの深淵を見る。そしてまた惨劇が……。
大藪賞受賞、本屋大賞2位に輝いた傑作の続編が、新たな感動と共に満を持して刊行。


ツール・ド・フランスはテレビで何度か見て、まずは、先頭の選手が風よけの役割だったり
することにビックリした記憶がありますが、 この競技はかけひきもあってとっても複雑。
テレビで解説つきで見てもとてもシロウトには理解しがたいもの。 
何故に、エースを勝たせるためにアシストでがんばるのか、意味がわからないままでした。 
この作品を読んで、チーム競技のあらかたがわかった気がしました。 
文庫解説によれば、自転車競技関係者の間で評判を呼んだ、っとなっております。 
'08年のツール・ド・フランスでは、生中継の間に解説者がこの本を紹介したとのこと。 
最初は、軽くロードレースが誰にもわかるよう、説明的なドラマが展開しますが、
後々、どんどんドラマが恐ろしい方向へ行っちゃいます。 
果たして、悪いのは誰?な~んて思いながら、進みました。 
事の真相が徐々にわかっていく段階で、思いもよらぬ結論が導きだされます。 
エースとアシスト、ひとりでは決して勝てない競技、
それでもエースを勝たせるためのチーム競技。 
過酷なスポーツであることをあらためて思い知らされました。 
最後の最後のオチのところまで、誰が悪いのか、
作者の思う壺ツボに振り回されながら読みました。 
ゾッとするような成り行きでしたが、
穏やかな主人公、白石誓の輝かしい未来に心が和んだところで終わり。
続編に期待がかかります。 


  
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by kimikitak | 2012-06-27 22:52 |

タルト・タタンの夢

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下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。
風変わりなシェフのつくる料理は、気取らない、
本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。
そんな名シェフは実は名探偵でもありました。
常連の西田さんはなぜ体調をくずしたのか? 
甲子園をめざしていた高校野球部の不祥事の真相は? 
フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?
……絶品料理の数々と極上のミステリ7編をどうぞご堪能ください。



「タルト・タタンの夢」
「ロニョン・ド・ヴォーの決意」
「ガレット・デ・ロワの秘密」
「オッソ・イラティをめぐる不和」
「理不尽な酔っぱらい」
「ぬけがらのカスレ」
「割り切れないチョコレート」


気取らないフランス料理、こんなお店を見つけるのはけっこう難しい。
下町の商店街の片隅にある小さなお店。 
このお店の名は パ・マルは悪くないという意味。
風変わりなシェフ三舟、ホテルのレストランの料理長
にもよばれるほどの腕を持つ志村シェフ。
ソムリエの金子さん 
ギャルソンの高築
この4人がこのお店のスタッフで、これらの話は
新米ギャルソンの高築の一人称で語られます。
このお店のお料理は本当に美味しそう。 
狭いお店ながら、お店はいつも予約でいっぱい、 
そんな実力派のお店。お客が持ち込む問題、不思議な出来事
を三舟シェフが、みごとに謎解きする、それも
どれも魅力的なお料理が絡んでて、いやがうえにも興味をひかれます。 
ロニョン・ド・ボーとは仔牛の腎臓の料理。好き嫌いの激しい客が頼んだが... 
ガレット・デ・ロワは、フェーブが消えてしまう理由は何か?
カスレ、ここではがちょうのコンフィを使うことに意味アリ。
7つの話は各々、違った趣向であきません。
それぞれにいろんな人の人間関係が絡んでいます。
ホッとしたり、イライラしたりするときにでてくる
ヴァン・ショーというホットワインも心温まりそうでした。 
殺人などおきないちょっとした美味しいミステリーといった感じで
サクッと楽しめました。 
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by kimikitak | 2011-12-20 22:33 |