タグ:角田光代 ( 5 ) タグの人気記事

紙の月

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銀行勤めの平凡な主婦が引き起こした
大金横領事件のてん末を描いた、
『八日目の蝉』の原作などで知られる
直木賞作家・角田光代の長編小説を映画化。
まっとうな人生を歩んでいた主婦が
若い男性との出会いをきっかけに運命を狂わせ、
矛盾と葛藤を抱えながら犯罪に手を染めていく。
監督は、『桐島、部活やめるってよ』などの吉田大八。
年下の恋人との快楽におぼれ転落していく
ヒロインの心の闇を、宮沢りえが体現する。


あらすじ
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く
平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや
周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。
一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、
年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。
彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、
顧客の預金を使い始めてしまい……。


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感想書いたのに、送信したら送信できず。
なので簡単に。 
原田知世の連ドラの方が、現実感あり。 
宮沢りえは、少々年取ったものの、平凡な主婦というには美しく
中学時代からの直情的で屈折した性格がこわいような、
そんな役どころが、今の彼女に合っているようです。
大学生には池松壮亮、モソモソ喋る、覇気のない青年役がピッタリかも。 
若くて何かと気がまわるテラーに大島優子。 
梨花に何かと訳知り顔で差し出口をする様子が、とても上手。
だらしない上司や、あまり見栄えのしない銀行員の中で
きりっと、仕事一筋の小林聡美で映画は引き締まります。 
とめどなくなりふりかまわず横領したお金で贅沢三昧する姿、
最後、小林おつぼねと対峙する姿、などなど圧巻でした。 
やはりエンタメ、飽きずにさいごまでいきました。 

今夜届いたボジョレー、週末までおあずけです。
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by kimikitak | 2014-11-20 21:52 | 映画

庭の桜、隣の犬

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夫婦が暮らす どこでもない場所

夫婦って、家族ってなんだろう?
愛でも嫉妬でもない、なにかもっと厄介なものをど真ん中に抱えて、
私たちはどこへ向かうのだろう? 
3LDK35年ローン、郊外のマンションに暮らす30代夫婦の生活を揺らす、
さざ波のような出来事を通して、現代の家族のあてどない姿を
リアルに描いた傑作長篇小説。



記憶系の天才少女だった房子。 
駅名とか、国旗とか、やたら覚えている少女だった頃、テレビに出て
もてはやされた過去がある。 
上海ツアーで知り合った宗ニと房子、しれっとした夫婦で
熱い思いを抱くでもなく、おもしろ楽しく暮らすわけでもなく、 
現代の30代夫婦、我々とはギャップがあるにしても、なかなか理解しにくい二人。 
どこにでもいる夫婦とは言いがたい、子どももいなくて、何を目標にするでもなく
あてどない二人。 きっと友だちになるのは難しいタイプ。
角田光代らしいといえばいえる、ちょっとひねった会話や、客観的視点、
とにかく活き活きしてないような感じに好感が持ちにくいので、少々読むには難儀でした。 
仕事場近くに小さな部屋を借りるという夫に、複雑な思いの房子。 
宗ニの母が、どこか田舎から上京、第二の人生を歩もうと 
お見合いパーティに参加するといった、ビッグなできごとに翻弄される。 
宗ニ母、苦労人のようで、言動も少々ガサツ。この手の言葉遣いには
ひいてしまいそう。 
房子との掛け合いもおもしろいものの、相容れないままの様子。 
そんな雰囲気をうまく描いているのはさすがですが、なんだか
やる気ない房子に、イラッとします。 
思えば、登場人物全般に、好感度の高い人物がいなくて、読みつつ
イラッとすることが多かったかも。 
部屋を借りたがゆえ、会社のバイトのキテレツな女と浮気まがいに陥る宗ニ、 
そのキッパリしない様子にも腹立たしさが… 
ひょっとすると、イラッとわざとさせる?角田先生の狙いかな?と
思えるほど。 
う~ン、殺人事件読んでたほうがスッキリするかな? なんて思っちゃいました。 
オシャレな言い回しとか、とっても凝ってる文章だと思うのですが、
成り行きもミステリアスだったりもしますが、どうもなんだかな~と思いつつ
とうとう最後まで読みました。  
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by kimikitak | 2014-05-28 21:09 |

エッセイ

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タイトルからして、ウォーキングでもして、
からだに気を配って、
目線が変わったなどという、
歩くオススメ的体験談かと思ったら、
来し方含め、さまざまな体験的雑感といった感じの
エッセイでした。 
’ああ、恥ずかし’にも、載っていた
1文ともかぶっています。 
とはいえ、内容は、子どもの頃からのこと、
海外での女子以上と思えるの冒険など
彼女の雰囲気よりも、ずっと
奇抜な、ずっとアクティブな(シツレイ)
楽しいお話いっぱいでした。 

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ご本人の自伝的な、エッセイ的な創作と
思えるお話でした。 
かなりハチャメチャに、それでいて
その時代に上京して生活することの困難さ
などが、ストレートに伝わってきて、
なんとも味わい深いのでした。 
私よりはちょっと若いけれども、そこそこ同じ時代を
過ごした東京での話、そうそうとばかりに
おもしろおかしく読みました。 
あの頃を思い出して、胸キュン! 
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by kimikitak | 2010-03-12 19:41 |

最近読んだ本

e0117945_20323851.jpg マザコン
マザコンと言っても、不気味な冬彦さんではなく、
普通の生活でありえそうな母と子の関係を描いた短編
読む私は、この作品における母の方、 
書いた角田光代さんは、子どもの側。
一編目が、荒んだ汚れた感じがして、
次に続くのがいやになった。 
でも、そのあとの作品は、
まだ若いのに、どうしてこんな風に、
どの立場の人も表現できるのだろう…
と思えるもの。 観察眼が素晴らしい。
この中で、「ふたり暮らし」が、いちばん
気に入った、気になった作品。

e0117945_20421650.jpg 復讐はお好き?
文春ミステリーベスト10 2位
久しぶりに海外ミステリー 
夫に殺されかかった女の復讐…という、コワイ始まり。
痛快・軽快、傑作サスペンスという通り、
ユーモアたっぷりのちっともドロドロしないサスペンス。
ドロドロを期待すると外れるとはわかっていても
もうちょっと、ハラハラさせてもらいたい気もしました。 
登場人物が、各々個性的で、イカサマな夫であるチャズ
すら憎めない、おもしろいお話。
でも、さいごのあたりがちょっともたもた長いかな~

e0117945_20553082.jpg 家日和
ブログのお友だちアリスさんの記事で、
おもしろそうだったので、すぐに図書館に予約、
300人以上の予約だったので、何ヶ月ぶりかで
ようやっと借りられました。
やはり、おもしろかった!
最後の、筆者と少しはかぶるかな、と思われる、
『妻と玄米御飯』 ことの収拾のさせ方は
妻思いないい夫のようでありました。 だからなのか
どの作品も、あたたかい家族、人間関係を描いていて
みも蓋もなくなるような話ではないので、
ほのぼのとしました。
それにしても、心理描写が心憎いほど。


好き勝手に感想、どれも少し忘れかけ…
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by kimikitak | 2008-04-05 21:10 |

読書

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アリスさんのブログでみつけた奥田英朗
1冊読んで、とても気に入ってしまい、そうとなったら
しつこくなる私。
この2冊は、精神科医伊良部が神経症の患者を
相手に繰り広げるロマン溢れる短編集。
レビューを見ると、『サクサク読める』という
感想が多く… サクサク、これは使えません…が、
空中ブランコまでやってしまう、お茶目なデブ伊良部に
まいってしまいました。
ちょうど、BSで、〈イン・ザ・プール〉オダギリジョーが患者で
やってました。 これは、見ない方がいいかなと
思いつつ、ちょっとだけみましたがやめました。
癒されたままにしておこうと。

e0117945_19312882.jpg不倫の果てに、不倫相手の娘(生後4ヶ月)を
誘拐する、その後… 

最初、何故に赤ちゃんを誘拐するかの動機がわからない
ところから始まるしかけで、
赤ん坊をおいたまま夫を駅まで送る間、鍵をかけていない
アパートの、散らかった、汚れた、すさんだ部屋の
様子だけが妙に頭にこびりつき、わけありな家庭を連想させます。
そんな部屋から連れ去った女の、その後の子連れの逃亡生活は、
すっとばしたくなるような感じで半分までだらだらと進みました。
が、この話が断然興味深くなるのは、後半部分。
誘拐されて3年半後に、本当の両親の元に戻った4歳の
当の娘の視点で描かれてから。
当の娘が成長して、陥る因縁。
展開に偶然やこじつけがあるものの、 
緻密に計算された構成で、心理描写もとても
うまく表現されている作品だと思いました。


e0117945_2016469.jpg テロリストのパラソル
学生運動全盛時代を駆け抜けた主人公たちが
たどる数奇な運命。
全共闘、革マル…私よりちょっと上の世代が
必死になって闘っていたあの頃、
すごく泥臭い、今になっても、よくわからない。
でもあの頃、うちの近所に学生運動の重要人物が
潜伏しているとのことで、刑事が我が家の2階で
張り込みさせてくれとのこと、それも思い出しました。
ちょうどテレビで学生運動にはまっていった学生
が、今になって昔を振り返る番組があり、
この話の場面もイメージしやすくなりました。

優秀な3人の学生、それぞれが優秀であるがゆえ
凡人には起こらないような人生に発展していく。
それぞれ、モデルがいるかのような生き生きとした
描かれ方をしていて、とても魅力的で鮮烈。
スゴイ話を読んでしまった、そんな感じです。
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by kimikitak | 2007-10-28 21:11 |