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銀翼のイカロス

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半沢直樹シリーズ第4弾、今度の相手は巨大権力!
新たな敵にも倍返し!!

頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、
500 億円もの債権放棄を求める再生タスクフォースと激突する。
政治家との対立、立ちはだかる宿敵、行内の派閥争い
――プライドを賭け戦う半沢に勝ち目はあるのか?


図書館からのレンタルを姉からまわしてもらい、
新作をいち早く読めました。
半沢直樹シリーズ、テレビのおかげでキャストのあの人、
この人の顔がちらちら。
今回は、政権交代とJAL再生がモチーフ。 
ゆえに、登場人物が現実では誰かも思い浮かべたり、検索しつつ、
ああ、あのときの…などと納得しながら読み進むのは面白かったです。 
悪人は銀行内部も政治家もどこまでも悪く、浅はかで私利私欲のかたまり。
いつものように半沢が最後は成敗してくれると思うと、安心して楽しめる
夏のエンタメでした。
実際にこんな人がいるの?というほどの誇大表現はいつものことですが、
だからこそ、どんどん先を読みたくなるのでしょうか。
また、テレビドラマになったらと思うと楽しみがまた増えますが、
いつのことでしょう? 
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by kimikitak | 2014-08-22 06:01 |

七つの会議

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トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を“パワハラ”で社内委員会に訴えたのは、
歳上の万年係長・八角だったー。
いったい、坂戸と八角の間に何があったのか?
パワハラ委員会での裁定、そして役員会が下した不可解な人事。
急転する事態収束のため、役員会が指名したのは、
万年二番手に甘んじてきた男、原島であった。
どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に
繰り広げられる生きるための戦い。
だが、そこには誰も知らない秘密があった。
筋書きのない会議がいま、始まるー。“
働くこと”の意味に迫る、クライム・ノベル。



テレビで見始めたところ、2本みたあと図書館リクエストの原作の順番がまわって来た。
なんというへんなタイミング。 
テレビで先に見ちゃってから読むか、テレビに追いつけ追い越せで読むか
悩みつつも、そこそこいろいろ忙しくて、どうでもよくなった。 
どちらも完了して思うこと。 
原作との隔たりは、テレビでは原島こと東山紀之を主人公に仕立てていたこと。
原作では、むしろ八角や佐野の方が、濃く描けれてたような。 
テレビは、全4回なのに、とてもよくまとめてました、さすがNHK。
東山のためのドラマになってた感じではあるものの、その分惹きつける場面が多くなってました。
各人のキャラが、生い立ちからして、綿密に描かれてて、わかりやすかったと思います。 
おりしも、日曜日の半沢直樹の方も並行してブレイクしてたので、池井戸さんの本も
書店でバッチリ目立ってました。 
こちらは、下請け業者と銀行との融資関連の実態など。
半沢にしてもこちらにしても、仕事をとりまく状況が、決して甘くはないのが見てとれます。
こうした社会で働く男性たちの苦悩もはかりしれません。
テレビドラマと、原作、合わせてみることで、より臨場感のある、
おもしろみのある作品になったと感じました。 
テレビは原作とはちょっと変わってますが、
あえてどちらの方が良いということもなく、
どちらも楽しめました。 
同時進行で倍楽しめた感ありでした!
半沢直樹は、今後またさらに楽しみ。
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by kimikitak | 2013-08-14 19:40 |

ようこそ我が家へ

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真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、
駅のホームで割り込み男を注意した。すると、
その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。
花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。
さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。
執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、
一家はストーカーとの対決を決意する。
一方、出向先のナカノ電子部品でも、
倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから、窮地に追い込まれていく。
直木賞作家が“身近に潜む恐怖”を描く文庫オリジナル長編


ここのところ、日々池井戸潤。
『半沢直樹』『七つの会議』と2本のドラマ。 
図書館からかなり前にリクエストした、七つの会議がまわって来て、
ドラマと並行して読んでるところ。 
新聞の広告で、いきなり文庫化の本書。ついついこれも買って、一気読み。 
これはかなり前の雑誌の連載に、加筆して文庫ということでした。 
昨日の半沢直樹、ドラマ仕立ては、クライマックスにやられたらやり返す、
半沢直樹の反撃が用意されてて、こんなことあり~?と思いつつも気持ちがスッキリする
仕立てになっていて、半沢にまかせとけば、すべて解決みたいな、強さがありますが、
この文庫の主人公倉田は、もひとつ線の細い、ちょっと物足りない感じで、いかにも
押しの弱そうな、マジメ1本の家庭人であり、
銀行から出向させられ、そこでも、厚顔な営業マンにしてやられても
静かに抗議する、ちょっと弱さを感じる男でした。
その倉田が、駅で珍しく順番を守らない男を注意するところから、あれよあれよと
ドツボにはまっていくのですが、そこは池井戸さん。 
きっと、良い収束を用意してくれてるんだろうなと、
安心しつつ、展開をおもしろく読みました。 
注意した男があとをつけてくる恐怖、まずはそんな恐怖に読者もはまりますが、
そのことと、出向先の会社でのトラブル、その二つを同時進行で対処していくので、
目が離せなくなります。 
重々しい感じはないので、さっくりと読めました。 
ちょっと、できすぎてる感はありますが、スピーディーに読めるし、
楽しめました。 
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by kimikitak | 2013-07-29 18:46 |

ロスジェネの逆襲

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人事が怖くてサラリーマンが務まるか!
人気の「オレバブ」シリーズ第3弾となる『ロスジェネの逆襲』は
、バブル世代の主人公が飛ばされた証券子会社が舞台。
親会社から受けた嫌がらせや人事での圧力は、知恵と勇気で倍返し。
ロスジェネ世代の部下とともに、周囲をあっと言わせる秘策に出る。
エンタテインメント企業小説の傑作!


ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。
そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、
ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。
アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。
ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。
責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、
部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。
胸のすくエンタテイメント企業小説


借りてきてちょっと読み始めたら止まらない、すぐに読める物語。 
バブル組のシリーズの3作目。 
最初から、結末は少々見えてきますが、 
最後は読むのが惜しくなるようで、ゆっくりと結末を楽しみました。
ロスジェネとは? 
 世の中がバブル崩壊後の不景気という名のトンネルのすっぽりと入り込んでしまい
 出口を見出そうともがき苦しんでいたこの10年間。
 1994年から2004年に亘る就職氷河期に出た若者たち、その彼らを、後に某全国紙
 の命名により『ロストジェネレーション』 略して ロスジェネ世代と呼ぶようになる。

なんだそうで、バブル入行の半沢とロスジェネ世代の森山の物語。 
企業買収がテーマ。 ヒルズのIT といえば、そうあの人、まだ記憶にあるあのこと。 
理不尽な買収劇にバブル半沢と、ロスジェネ森山の知的活躍で、
旧態依然とした銀行にしがみつくお偉い輩をやっつける、
征伐のお話でした。 
悪だくみ連中が、小悪すぎるキライがあって、下工作、根回し、わかりやす過ぎますが、
株価、経済のことなど盛り込まれているので、学習になりました。 
保身に余念のない悪主人公たちの、いさぎ悪さも手伝って、
なおのこと半沢のカッコよさが目立ち、ともかくもスッキリと終わる勧善懲悪の
池井戸ワールド全開といった感じでしょうか。 
半沢の発言を通しての池井戸メッセージも多々あり、ロスジェネ世代もバブル世代も
心に刻まれるかと思います。 
ただのバンカーじゃない、組織に翻弄されることのない半沢の活躍は、また次があるのでしょうか? 
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by kimikitak | 2013-01-26 22:08 |

池井戸潤

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大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。
支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。
すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。
四面楚歌の半沢には債権回収しかない。
夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。
そんな世代へエールを送る痛快企業小説


ずいぶんと前に一気読み。
暑いので感想もまとまらないけどおもしろかった!
バブル?その頃、別にバブリーに縁はなかったけれど、世の中浮かれていて、
なにかいいことありそうな、そんな気がしたことはたしか。 
その頃、学生の就職戦線で都市銀行は人気絶頂。
それから十余年、銀行は凋落の一途をたどった。 
バブル入社の半沢と同期たち、各々のその後、
評価が高かったにもかかわらず、実績をあげられず、専制君主タイプの上司との
折り合いも悪く、統合失調症になって休職する近藤。
研修制度により司法試験を受けても合格できずに昇格が遅れる苅田。 
など、希望と転落、これも現実だったのだろうと心おだやかならずに読み進みます。 
銀行スキャンダル、不祥事も派手だった、旧大蔵省の色ボケ接待や官民癒着など、
果ては銀行不信はつのるばかり。
確かにあの頃、あんなこともあっとこんなこともあったと、いろいろ蘇りました。
バブル崩壊後の不況の世の中、無理な融資を支店長から強要されたあげく、
責任を押し付けられた主人公半沢。 
いくらなんでもこんな支店長さん、現実にいるんだろうか?というワルでした。
また、銀行に入る査察、国税の統括官と査察官たちの横柄な態度、その描写は
きっとそんな風なんだろうなと、妙にリアルです。
さて、この物語の落ち着くところはどこなんだろう?と考えながら
のっぴきならない私利私欲、生活と家族のかかってる支店長と半沢の対決、
最後まで、読者ながら悪を退治する気まんまんで読みました。
だからこそおもしろいので、次回作、花…も読みたいと思います。 
うっすらバブルも楽しめて、良かったです。
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by kimikitak | 2012-09-10 18:32 |

かばん屋の相続

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池上信用金庫に勤める小倉太郎。その取引先「松田かばん」の社長が急逝した。
残された2人の兄弟。会社を手伝っていた次男に生前、
「相続を放棄しろ」と語り、
遺言には会社の株全てを大手銀行に勤めていた長男に譲ると書かれていた。
乗り込んできた長男と対峙する小倉太郎。
父の想いはどこに? 表題作他5編収録

 
短編ながら、どの話も内容が濃くておもしろいです。
銀行の融資や手形のことなど、ここのところ池井戸さんのおかげで
少しずつわかるようになってきました。 
今回は、大田区の中小企業相手、大手銀行だったり、地元信用金庫の
職員が各々主人公になってますが、大田区は私の出身地なので
なんとなく背景も目に浮かぶようで、ことにリアリティがありました。 
池井戸さんは、あのあたりの支店に勤務したことがあるのだろうか?
と思えます。
融資をするか見送るか、バンカーの葛藤の中、
見えてくる事情が多々あって、先を読むのにドキドキします。 
そこには、想像以上のからくりがあったりして、意外性があって
とてもおもしろいです。
手形や稟議のことがあるので、もらさずシッカリ読まないといけません。
銀行内部の人間関係も描かれていて、
ことにワルモノ上司がやっつけられるのはスカッとします。
銀行員とその妻、銀行内恋愛など、盛り込まれてるので
おカネのこと以外もなかなかおもしろいのです。
表題作の《かばん屋の相続》
これは、タイトルをみただけで、あ~、あれだな、と思ったのですが、
京都の一澤帆布、解説にもあるとおり、あの争いのことに着想を得たようでした。
この本では、場所は池上。 
京都で、わざわざ私も買った丈夫な袋、その頃は争いもなかったわけですが、
この本の結末とはまた違うドロドロがあるのでしょうか、
今はあのお店どうなってるのかな?とふと思いました。
軽く読める一冊ですが、着想豊かでひきつけるストーリー、
2005年~08年にオール読物に掲載された作品ということです。
一方で他の長編も書きながらは大変なこと、池井戸さんさすが! 
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by kimikitak | 2011-10-31 22:24 |

果つる底なき

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「これは貸しだからな。」謎の言葉を残して、
債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。
死因はアレルギー性ショック。
彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。
坂本のため、曜子のため、
そして何かを失いかけている自分のため、
伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう!
第44回江戸川乱歩賞受賞作



先日、直木賞を受賞した池井戸潤氏の
1989年乱歩賞を受賞した作品。 
文庫解説(郷原宏)によれば、池井戸氏は
子どもの頃か乱歩賞をとって推理作家になるのが夢だったとのこと。 
ついには直木賞もとったのだから、新聞に載ってる著者の顔も
ことのほか嬉しそうにみえました。
アリスさんのご紹介だ池井戸潤作、かなり読みましたが、
これがいちばん古い作品でした。
初期のものなので、かなり力が入ってる感じがします。 
ちょうどバブル末期、銀行にも不祥事の多い時期。
不良債権、手形、不正融資、など、お金系に弱い頭には
少々難しく理解しにくいところもあり、少々読みにくく、
息切れしながら進みました。
かつての恋人曜子というのが殺された同僚坂本の妻という
設定は、ちょっと思わせぶり過ぎかと思いました。
度重なる危険な目にあう主人公伊木、警察は後手すぎるのでは?
などなど、ちょっと突っ込みどころもありました。 
銀行内部の腐敗、派閥、出世欲などおぞましいことが
ひととおり出てきてとても興味深いです。  
半導体という「形も概念もないもの」にからむ夢と大金の流れ。
私利私欲、果つる底なき暗澹たるもの… まさにダークサイド。 
それにしても、いってきますと言って仕事に出かけた銀行員が
殺人に巻き込まれるなどとは。 
幼くして母親をなくし、孤独な伊木の
「幸せといえる時期は、一生のうちどのくらいあるのだろうか」
というのは印象的。 
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by kimikitak | 2011-08-28 13:02 |

銀行仕置人

e0117945_15453715.jpg銀行仕置人
池井戸 潤【著】
双葉文庫 (2008/01/20 出版)
通称“座敷牢”。
関東シティ銀行・人事部付、黒部一石の現在の職場だ。
五百億円もの巨額融資が焦げ付き、
黒部はその責任を一身に負わされた格好で、
エリートコースから外された。
やがて黒部は、自分を罠に嵌めた一派の存在と、
その陰謀に気付く。
嘆いていても始まらない。
身内の不正を暴くこと―それしか復権への道はない。
メガバンクの巨悪にひとり立ち向かう、
孤独な復讐劇が始まった。
  
 
また池井戸さんの銀行もの。 
これは、今まで読んだ中でも上位にいれたいおもしろさ。 
読んでる側は、誰が悪いかわかっているので、
それがどう暴かれていくか、そうは簡単じゃないゆえに、とても
はがゆい。 
ちゃんとした裏づけ、証拠が出てくるのにタメをきかせられ、その分
ちょっとずつ、悪が退治されていくのが痛快なのでした。  
だいたい、銀行の役員クラス上層部に、世の中の裏仕事とも手を組む
人間がいるなんていうのが、のっけからわかって、ありえない?ありえそう、
と銀行を見る目が、変わりそうないきおいでズンズン進みます。 
登場人物、登場支店、登場企業、どれもとても多く、うっかりしてると
わからなくなりますが、ワルモノがちょっとずつ淘汰され、最後に黒幕的
大物の仕置きがめぐってくる仕組み。 
銀行マンたちの日々の葛藤・ストレス、上下関係、出世、左遷、失脚
とひととおりが、とても興味をそそられます。
融資のことなど詳しくなった気もしますが、なかなか
理解するのが難しくもあり、銀行マンの仕事の大変さを
痛感いたします。 
暴力あり、死人もでて、スリリングな内容で、最後までドキドキ。
主人公黒部、潔く、カッコよく描かれ、ワルは悪すぎ、
偶然も多く、そううまくいくかな~と突っ込みたくもなりますが、 
だからこそ痛快なのだから、よしとしたいと思います^~^
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by kimikitak | 2010-10-07 16:15 |

シャイロックの子どもたち

e0117945_20434657.jpg文春文庫
シャイロックの子供たち
ある町の銀行の支店で起こった、現金紛失事件。
女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪…!?
“たたき上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、
上らない成績…事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。
銀行という組織を通して、普通に働き、
普通に暮すことの幸福と困難さに迫った傑作群像劇。

 アリスさんのところで
ご紹介のあった、池井戸潤(元ミツビシ銀行職員)の著書、
次々、興味深く読んでます。  
近未来的物語のプラチナデータのあとだけに、 
リアルな人間模様が、とりつきやすかったのでした。
誰もがかかわりのある銀行、これは、大田区の商店街、長原支店でのできごと。
どちらかといえばエリートが望む中央からは、かけはなれてしまってる感のある長原。 
一度失敗したら這い上がれない、とか、負け組勝ち組がハッキリと分かれるとか、
カネカネの世界ははかり知れないというイメージを勝手にもってしまってますが、
読めば読むほどに、内部事情もよくわかってしまい、大変な職場。 
短編連作で途中からミステリー、凝った仕立てになっていて、ナゾがナゾを呼び
おもしろく読み進みました。 
各章ごとにでてくる主人公のストーリーは、ちょっと消化不良で終わりながら
次に別のカタチでかかわっていきます。 
高卒乙採用の直情径行型古川副支店長によるパワーハラスメント、
家庭の事情で堅実な愛理にかかる現金盗難のぬれぎぬ、
目標を達成できなくて、叱責をうけたあげく精神に異常をきたす遠藤、
幼い頃から優秀で着実な歩みに満足できず、スリルを求めてギャンブルに狂う黒田
目標を淡々とクリアするヒーロー滝田、
激務の果ての夫を突然失う晴子 
などなど、リアルな人物像が描かれてますが、 
ちょっと特殊な世界かな?とあらためて思います。
心身疲れきって帰ってくるエリートであろう夫を迎える妻も、
出世レースを見守る社宅妻も心穏やかでいるのは辛そうです。 
どこに属していても、ふとしたきっかけで足元を掬われ、
人生の展開が猶予ならざるものになったり、
普通の幸せに身をおくのは本当に大変なこと。 
この話、最終的に、各章と同じく想像を託されます。 
そのもったいぶりが狙うところなのでしょうが、こちらの脳神経はちょっと疲れました。
それほどの量でないわりに読み応えがありました。 
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by kimikitak | 2010-09-22 21:41 |

ちょっと前に読んだ本、すでに忘却

ずいぶん前に読んだ本 
内容も忘れかけ。
e0117945_16301118.jpg 文芸春秋
2009年10月
多田・行天コンビが主人公の人気シリーズ
『まほろ駅前多田便利軒』のパート2は
“番外地”と銘打って、多田・行天の物語3篇に加え、
本篇の脇役が主人公となる短篇4篇を収録。
若き地元ヤクザ星良一、生意気小学生の田村由良のほか、
意外な人物もフィーチャーされます。
面白さも更に増しての待望の新刊

 
直木賞をとった前作の、各々のキャラを思い出さなければ…
と記憶をたぐりながら読んだ。
最初の結婚指輪のキャラット競争、
シアワセ比べはこんなところから始まって、
女の闘いに、ドキリとする。 
路線バスの間引き運転疑惑に相変わらず執着する
おじいさん、ここの老夫婦のやりとりが微妙にいい。
生意気な小学生、由良とギョウテンとの一日、この小学生は
一日でいろんな経験をしてしまった。 
うすらボケた曾根田のおばあちゃんの過去のロマンス、
どれもおもしろく読ませる工夫が盛り込まれていて、おもしろかった。
なんともインパクトのある装丁。 これってどうかな~? 
  
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植物図鑑 有川浩
2009年 06月 30日
角川書店
男の子に美少女が落ちてくるなら
女の子にもイケメンが
落ちてきて何が悪い!
ある日道端に落ちていた好みの男子。
「樹木の樹って書いてイツキと読むんだ」。
野に育つ草花に託して語られる、
最新にして最強の恋愛小説! 


e0117945_173826.jpg 裏表紙は
この話に出てくる植物
この本の装丁は好きでした。
アリスさんのご紹介で読みたくなってすぐに
予約したけれど、数ヶ月待たされました。
 
からだの中が浄化されそうな摘み草料理を作ってくれるイケメン、 
そんな彼が突然いなくなってしまう。 
と、気をもたせながら、最後は簡単にまとまりすぎのハッピーエンド。 
恋愛小説は、今におよぶとドキドキしませんが、ほのぼのしました。 
今度、『フリーター家を買う』が 二ノ宮和也でドラマになるらしい。
横浜の友人宅の近くで撮影が行われているとのこと。
有川浩は好きですが、こちらは未読なので、ドラマで見よう。
 
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ある日突然、首相・武藤泰山と、
武藤の大学生のドラ息子・翔の中身が入れ替わってしまう。
原因もわからないまま、やむなく泰山の変わり身となって
国会に出ることになった翔。
遊んでばかりの日常を送ってきた翔には、
国会でおこなわれる討論や質疑応答など、到底理解できない。
幼稚な発言を繰り返す上、首相だというのに文書に書かれた
漢字すら読めず誤読を繰り返すという状況に……。
首相と息子の入れ替わりなど夢にも思わない世間では、
一国の代表とは言いがたい言動に対する厳しい批判が渦巻く。
またそれと時を同じくして、泰山のまわりでは、
閣僚の酔っ払い発言やスキャンダル、献金問題などが相次ぐ。
国を背負うはずの大人たちに、一体何が起こったのか―。
本物の大人とは、国を動かす政治とは何か。

2010年05月  ポプラ社 
 
誰のことかすぐにわかるので、おもしろおかしい。 
日本の政治大暴露で、厖大なリサーチもしたであろうと
思われます。 おもしろいけれども、この入れ替わりで
リアルな感じがぼけ過ぎて、途中ちょっと疲れてしまった。 
でも、池井戸さん、この国への思い、書きたいことは全部お書きになったのでは? 
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by kimikitak | 2010-08-19 17:25 |