カテゴリ:本( 153 )

プリズム

e0117945_201536.jpg
いま目の前にいるのは、私が愛した“あなた”ですか?
かつて誰も経験したことのない、切なくミステリアスな恋愛の極致!!

世田谷に古い洋館を構える資産家の岩本家に聡子は足を踏み入れた。
美しい夫人から依頼されたのは、小学校4年生になる息子・修一の家庭教師。
修一と打ち解け順調に仕事を続けていた聡子だが、ある日、屋敷の庭を散策中に、
離れに住んでいるという謎の青年が現れる。
青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、聡子に挑みかかってきたかと思えば、
数日後の再会では、陽気で人当たりが良く聡子を口説いてからかったり、かと思うと、
知的で紳士然とした穏やかな態度で聡子との会話を楽しんだり……。
会うたびに変化する青年の態度に困惑するが、屋敷の人間は皆
その青年については口を硬く閉ざすのであった。次第に打ち解けていく青年と聡子。
やがて、彼に隠された哀しい秘密を知った聡子はいつしか彼に惹かれはじめている自分に気づき、
結ばれざる運命に翻弄される。
変幻自在の作品を生み出す著者が書き下ろした、哀しくミステリアスな恋愛の極致。


かなり前、友人がおもしろいと言って図書館返却の期日が残っていて回してくれたので
読んでみました。乖離性同一障害(多重人格)がテーマということでちょっと興味がわきました。
映画では、シークレット・ウィンドウや、ファイトクラブなど少々記憶あり。 
主人公の梅田聡子が、解離性同一障害の青年のいくつかある人格のひとりに恋をする
という物語なのですが、要は不倫で、まずはこの梅田聡子に感情移入できなくて残念。
多重人格の人の多くは『幼児虐待』と深く関係してるらしく、
虐待を受けて、死ぬか発狂するか、人格分離をおこすしかない。
虐待から逃れるために自らの記憶を消し、避難用に創りだした「人格」に
記憶を書き換えることで生き残るのだそうです。
巻末の参考文献の量を見れば、百田氏、多重人格についてかなり調べたのだと思われます。 
多重人格の青年は、父親からひどい虐待を受けてその描写も生半可ではなく
少々読んでて辛くなる部分がありました。
この青年は最初、12の人格を持っていて、催眠療法に人格統合され5人になり
さらに聡子との絡みにより、人格が統合されていくのですが、
そこに聡子という、あまり共感できない女性の出現で、話はややこしくなり、
読んでても、青年の人格の誰のどれだかこんがらがって、中だるみの感が
ぬぐえませんでした。 
ちなみに聡子さんは、すらりとした美人。うめださとこって名まえ、美人に結びつきませんが^^
青年の人格のうちのひとりは大阪弁で真っ直ぐで凶暴、スタバでろくでもない若者を
どなりあげる場面などは、ちょっと小気味良かったりもしましたが、
恋愛方向にどんどんなるほどに、興味が薄れていきました。 
作品としては好きになれませんでしたが、人の心のメカニズムについて感じるところが
多々ありました。  
[PR]
by kimikitak | 2013-02-21 20:43 |

ロスジェネの逆襲

e0117945_21333533.jpg
人事が怖くてサラリーマンが務まるか!
人気の「オレバブ」シリーズ第3弾となる『ロスジェネの逆襲』は
、バブル世代の主人公が飛ばされた証券子会社が舞台。
親会社から受けた嫌がらせや人事での圧力は、知恵と勇気で倍返し。
ロスジェネ世代の部下とともに、周囲をあっと言わせる秘策に出る。
エンタテインメント企業小説の傑作!


ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。
そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、
ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。
アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。
ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。
責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、
部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。
胸のすくエンタテイメント企業小説


借りてきてちょっと読み始めたら止まらない、すぐに読める物語。 
バブル組のシリーズの3作目。 
最初から、結末は少々見えてきますが、 
最後は読むのが惜しくなるようで、ゆっくりと結末を楽しみました。
ロスジェネとは? 
 世の中がバブル崩壊後の不景気という名のトンネルのすっぽりと入り込んでしまい
 出口を見出そうともがき苦しんでいたこの10年間。
 1994年から2004年に亘る就職氷河期に出た若者たち、その彼らを、後に某全国紙
 の命名により『ロストジェネレーション』 略して ロスジェネ世代と呼ぶようになる。

なんだそうで、バブル入行の半沢とロスジェネ世代の森山の物語。 
企業買収がテーマ。 ヒルズのIT といえば、そうあの人、まだ記憶にあるあのこと。 
理不尽な買収劇にバブル半沢と、ロスジェネ森山の知的活躍で、
旧態依然とした銀行にしがみつくお偉い輩をやっつける、
征伐のお話でした。 
悪だくみ連中が、小悪すぎるキライがあって、下工作、根回し、わかりやす過ぎますが、
株価、経済のことなど盛り込まれているので、学習になりました。 
保身に余念のない悪主人公たちの、いさぎ悪さも手伝って、
なおのこと半沢のカッコよさが目立ち、ともかくもスッキリと終わる勧善懲悪の
池井戸ワールド全開といった感じでしょうか。 
半沢の発言を通しての池井戸メッセージも多々あり、ロスジェネ世代もバブル世代も
心に刻まれるかと思います。 
ただのバンカーじゃない、組織に翻弄されることのない半沢の活躍は、また次があるのでしょうか? 
[PR]
by kimikitak | 2013-01-26 22:08 |

ビブリア古書堂の事件手帖

e0117945_22591194.jpg
 鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。
すっかり常連となった賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。
人々は懐かしい本に想いを込める。それらは思いもせぬ人と人の絆を表出させることもある。
美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読み取っていき──。
 彼女と無骨な青年店員が、妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは? 
絆はとても近いところにもあるのかもしれない。あるいはこの二人にも。
 これは“古書と絆”の物語。


・プロローグ 王様の耳はロバの耳
1話 ロバート・F・ヤング たんぽぽ娘
2話 タヌキとイヌとワニが出てくる、絵本みたいなもの
3話 宮沢賢治『春と修羅』(関根書店)

近所のR子さんが貸してくれたので、2をパスのまま読みましたが、
1話ごとに一応の解決があるので問題なし。 
R子さんは1冊めよりもおもしろくないと言ってたけれど、ビブリア古書堂の
美貌の店主・栞子さんの行方不明のお母さんの秘密が明かされかけたので
読み進む甲斐があるという感じでした。 
1冊めよりもインパクトは薄いかもしれないけれど、どの話も家族が絡んでて、
それなりの収束を見るので、わりとスッキリします。 
お母さんの秘密は、ここでは半端で終わるので、どうしたって4を読む
ことになるのでしょう。 
ところで、これはドラマ化されるらしく、その栞子さん役が剛力彩芽ということで、
ビックリ。 これは、巷でも物議を醸しているようです。 
作者の三上延さんはどう思ってるのでしょう。 
まあ、ドラマは見なければいいだけのことですが、古都鎌倉が舞台なので
気になるし、古書が出てくるので見たい気もあるので残念。
その他の人物設定も変わるようで、疑問だらけのドラマになるのかな? 
栞子さんというのは、古書に関して膨大な知識の持ち主で、ロングヘアで美貌と知性を
持ち合わせた、シャイな人。  誰ならこの役にあうのかなんてキャスト考え中。
比嘉愛未あたりか。 神秘性もあるので誰がやっても難しいでしょう。
なんてえらそうに~
[PR]
by kimikitak | 2012-12-17 23:31 |

衣もろもろ

e0117945_2343460.jpg
中年まっただ中のおしゃれの悩みエッセイ
おばさんは何を着ればいいのか──中高年女性が必ずぶちあたる衣類問題。
イタい人、ダサい人にならず、着ていて楽で、出来ればおしゃれに見える服はあるのだろうか?
爆笑と共感の衣類エッセイ。


尽きぬ悩み
個人的ファッション史
羽織物あれこれ
永遠の靴問題
コート選びは妥協せず
決め手はヘアスタイル
格上げは小物で
フォーマルウエアの行く末
服の値段とお手入れ
雨を楽しむ
汗との闘い
「リアル」な自分を理解する
見えない難題
寝巻きの好みは千差万別
基本の一着はどこに
在庫と収納
冬を乗り切る
ままならぬ化粧
「いざ」に備える
満足できる服とは


細いSさんが、図書館で借りてすぐ読み終わっておもしろいからと
回してくれた。  この先順番待ちは長いので感謝! 
群ようこさんは、私とほぼ同じような年齢。 
となれば、着るものの悩みは似たようなものか?でもない、あちらは、世の中で活躍の
作家セレブだもの。  と思いつつも、そんな垣根はおいといて、なるほど鋭い観察眼による
おもしろ文章に、うんうんと納得しながら、うん、やはり一般主婦とはちょっと違うゾ、とか
思いながら、お気楽に読みました。 
着るものの悩みは永遠かと思われるほど、めんどうでどうでもいいやと思いつつもいつも
悩んでるのが現実。 それがちょっとした、お出かけの場合など頭を抱えます。 
そもそも、どうして似合うものがないのだろうか?と思っていたので、そんな人にこの本は
ピッタリ。 
『五十代半ばで、七頭身、八頭身のプロポーションの人は、同世代の女性の人口何パーセントくらい
いるのか』 
『背が低くて小太り、気さくで人はよさそうだが、三頭身あるいは四頭身に寸詰まっている』
などと、最初から痛いところを突いていて、当てはまるだけに共感しながら読み進みます。
どんなに似合うものがなかろうが、出るところには出なければならないし、
今じゃ、腹尻隠しのチュニック愛用になってるオバサンのひとりの私。
世のおばさまたちの悩みをズバリ、微に入り細を穿って解説、どうすればよいか
書き倒し状態の文章に、思わずにんまりしてしまいます。 
若いころのファッションの思い出なども、世代が一緒なのでいたく懐かしい。 
原宿のお店は昔は今よりもっとカッコよかった。 オシャレも昔のほうが、今の子たちより
ずっと洗練されてた、なんぞと思い出したりできて、倍ぐらい楽しめたのでした。 
結局、群ようこさんは、着物にも到達するのですが、そこはやはり出る場所も違うし、
生活も違いすぎるので、マネはできません。 
でも、ファッションが納得できたら、テンションあがりそう、一日が楽しくなりそうです。 
あぁ、痩せたらもうちょっとは楽しいだろうなと~



 
[PR]
by kimikitak | 2012-11-28 00:30 |

パンとスープとネコ日和

e0117945_5323088.jpg

【解説】 母を亡くした50歳のアキコは、編集の仕事を辞めて調理師免許を取り、
実家の食堂を継ぐことに。サンドイッチとスープ、サラダ、
小さなフルーツというシンプルなメニュー。
食材にこだわり、いろんな評判に揉まれながらも誇りを持って働き続けていた。
そんなある日、生まれて一度も会ったことのなかった
亡き父親の話を聞くことになった彼女は、
異母兄弟が住む町まで出向くことになり…。
働く女性の幸せとは何か? しみじみと考えさせられる長編小説。


姉からまわってきたので、読んでみた群ようこ。
出自を知らされたのは中学生のとき、というアキコ。 複雑な家庭事情の娘という周囲の目、
ときに母を反面教師としながらも、賢く育ち、凛として生きていくさま、
わりと大変な状況なのに軽快なタッチの文章で、潔いアキコに惹かれながらトントンと読みました。 
母が営んでいた「お食事処かよ」...学校から帰ると午後の休憩時間に、常連のおじさんたちと
たばこを吸いながら談笑している母。 母にとってアキコは期待の星、好き勝手にアキコに
絡んでくる母を内心疎んじる娘、そんな母娘がいろんなエピソードで綴られて
ふたりのキャラクターの描かれ方が絶妙です。 
母亡き後、母の店と対照的ともいえる
『修道院のように簡素な空間で安心できる食材を使って、おいしいパンとスープの店を出したい』
と、母の店を改装して「ä(エー)」というお店を開店させるアキコ。
このお店は、あの「かもめ食堂」を思い起こさせます。 
パンは全粒粉か天然酵母、無農薬か低農薬の野菜、ベジタリアンやヴィーガンのように
極端に走るのはいやだけど、ヴィーガンに近寄りたいという気持ちは持っていたいという
のがアキコの食事に対する正直な気持ち。 
そんなお店は昔の「かよ」の常連客たちには受け入れられないのも当たり前。 
忙しくて日々の食事にあまりかまっていられない人たちにせめて丁寧な食事を
たまには食べてもらいたいという、スープとボリュームのあるサンドイッチの
美味しそうなこと! 
お店は評判となって、遠方からもナチュラル系のお客さんも来て繁盛するも
様々な横槍もはいることに、でも、こんなお店があったらぜひともランチしたいところです。
アキコの気持ちに添ってくれるアルバイトのしまちゃんとのやりとりも、なかなかいい。 
そして、拾った猫のたろちゃん。 猫のことがいっぱい描かれているだけで嬉しい^^
食べ物を扱う店に猫は厳禁、とばかりに2階に閉じ込めたままの猫。
アキコの仕事が終わるのをひたすら待ってる猫、仕事のあとの猫との時間が心地良さそうでした。
アキコの父親を知ってるという人が現れたり、ドラマティックな内容に展開しますが、
最後はちょっと悲しい、いえいえちょっとじゃなくかなり悲しく、
じわじわと孤独が伝わって来たりもしますが、全体に爽やかで明るく、読み心地の良い
一冊でした。
そう思わせるのは、知的で凛として、それでいて自然体のアキコの人柄でしょうか。 
[PR]
by kimikitak | 2012-11-20 17:31 |

サン・セバスチャン

e0117945_2374913.jpg
スペイン・バスク地方にある人口一八万人の小さな街、サン・セバスチャン。
いま、ここは世界中から美味しいものを求めて人が集まる「美食世界一の街」
として知られる。
かつては高級保養地として知られたが、世界遺産などの観光資源もとくになかった
ため、この地を訪れる観光客は低迷していた。そんな街がなぜ、たった10年ほど
で変われたのか。

その背景には、美食を売りに出す徹底した地域戦略があった。サン・セバスチャン
では、あたかもシリコンバレーがIT産業に特化したように、料理を知的産業として
売り出そうとしているのだ。
製造業だけでは限界にきている日本の活路は観光業にある。そうしたなかで、世界
を旅する高城剛が、いまもっとも注目する街が、ここサン・セバスチャンである。
日本が観光立国となるために、サン・セバスチャンに学ぶことが多くあるはずだ。


スペインのバル、タパス、ピンチョス、
どの語の響きも魅力あり。 
スペインで食を堪能したい、ならばサン・セバスチャンに行ってみたい、と
思って手にしたこの本。 
著者高城剛氏は、なんだ沢尻エリカのだんななんだった。 
それはさておきとして読んだこの本。 
スペインの歴史から始まり、かなりアカデミックでもあり、
今ののスペイン料理の発展がいかになされたか、詳細に
綴られてます。
そしてバスク地方の小さな街がどのようなプロセスで世界一の
美食の街になったか、興味深く読みました。 
なにせこの街にはミシュラン三星の店が3店、二つ星が2店、1つ星が4店、
世界のベストレストラン50のトップ10にこの街から2店も入ってるそうなのです。
90年代に入ってから’ヌエバ・コッシーナ’(ヌーベル・キュイジーヌ)と呼ばれる
新しい食の運動が若いシェフたちから始まったそうなのです。
読みながらも美味しそうで美味しそうで…ところどころ写真もありました。 
親切なこの本、のっけから大打撃。 
サン・セバスチャンに行くには、乗り継ぎも含め相当な覚悟が必要そうです。
陸続きのヨーロッパの旅行者ならともかくも、長旅してゆっくりバルを回る
なんてオシャレなことが私にはできそうにないな~と思うと、よけい憧れます。 
行ってみたかったエル・ブリも今はもうないし。
行くならば、この本には美味しいお店の紹介も多々あるので、ガイド本として手元にあっても
いいと思います。
図書館の本なので返しちゃいますが、もうちょっとこの本で旅してたい気がしました。 
日本の観光産業にも言及していますが、そこのところはちょっと余分かなと思いました。
高城さんてこんな人?とちょっとビックリ。知人ぞ知る知識人なのでしょうが、
沢尻エリカでもったいないことしちゃったのでは?などとよけいなお世話なこと考えました。
[PR]
by kimikitak | 2012-11-16 09:07 |

鍵のない夢を見る

e0117945_1015379.jpg
望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。
そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。
待望の最新短篇集。
誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、
結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、
出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行――
日常に倦んだ心にふと魔が差した瞬間に生まれる「犯罪」。
現代の地方の閉塞感を背景に、ささやかな欲望が引き寄せる奈落を鮮やかにとらえる短編集。
ひとすじの光を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す著者の筆が光る傑作。


仁志野町の泥棒
石蕗南地区の放火
美谷団地の逃亡者
芹葉大学の夢と殺人
君本家の誘拐 


2012年 第147回 直木賞受賞


初めて読む辻村作品 
これを読んでおもしろかったら、順次読もうかと思って借りたところ、
すっかり嵌りそうな気が。 
この短編は、話の展開の先を知りたくなるのですぐに読めてしまいますが、
想像どおりの結末とは簡単にいかず、ドキドキします。 
1話めの盗癖のある母親と町の大人の対応の間で、揺れて傷つく
子どもたちの話が、成長したあとあとまで痛く心に残ります。
小学生の多感な時期の心理描写、また中学・高校・おとなになる過程での
心理描写が、とてもみごと。 
他の作品と違って、この主人公ミチルがいちばんわりを食った感じでずっと心に
ひっかかりました。 
近年におこった事件をモチーフにしてるのかと思うところですが、
出てくる人物と、会話、心理、どれもリアリティをもって描かれてて
引きこまれます。 
気持ち悪い、こんな人イヤだって思うタイプの現代の男たちがでてきます。
こちら歳もいったので、すぐダメ出しですが。 
瞬間、いい人だったりするので、複雑な女性心理を呼び起こします。
辻村さんもお子さんを育ててるようなので、最後の作品は、身を持って感じつつ
構想したのでしょうか? 

他の作品は作品同士がリンクしてるようなので、読む順番があるとのこと、
それに則って読んでみたい気になりました。
文章も読みやすく、心理描写のみごとさに惹かれました。 

 
[PR]
by kimikitak | 2012-11-15 13:15 |

チャングム

e0117945_21441810.jpg

2005 年第一刷 
もうこのドラマはかなり前に話題になり、何度も再放送されてるけど
見ないまま。 
最近になって、朝のテレビ東京でオンエア。 
気づかずにいたら、N夫人が教えてくれて14話になっていた。 
初回から見ないと見るきが失せますが、そこは韓国ドラマ。
途中からでもなんとかついていけそう。
何せお料理がいろいろ出てくるので見たいなと思ってました。 
N夫人がこの本を貸してくれました。 
ですので、1話からのあらすじや、エピソード、歴史、宮廷料理など、盛りだくさんの
内容を把握しながら録画で追っかけてます。 
とても内容の濃い本です。 
宮廷料理のおいしそうなこと!
1話終わるごとに、必ず次が見たくなるしかけ。 
というわけで、日々、これにはまっています。
もう、皆さん見ちゃったあとなので今更ながらですが、おもしろいです。 


e0117945_21572264.jpg
私は五六歳。あと数年でもう還暦に手が届く年齢です。
でも、私に初めて会った人は「とてもそんな年齢に見えない!」といいます。
実際、自分の体の各部分の「年齢」を調べてもらったところ、
脳年齢──三八歳、骨年齢──二八歳、血管年齢──二六歳、
という驚きの結果が出ました。私の肉体は、実年
齢よりもゆうに二〇歳以上も若いことがわかったのです。
そんなビックリするような「若返り=アンチエイジング」
をどうやって実現させたのか? 「食事の内容と生活習慣を変える」ということ、
ただそれだけです。それなりに努力はしましたが、
あくまでも日常生活の延長上のこと。お金や時間を特につぎ込んだわけでもありません。


今はテレビ露出度も高く、今更読んでもと思ったのですが、興味沸くアンチエイジング、
売れてる本に手をだすのも、なんなので、図書館で順番待ちしました。 
テレビに出てるとイヤミな発言も多く、また、お顔はいぜんの太ってるときの方が
むしろいいのでは?と思いましたが、見た目というよりも内面からでる若さに対しての
発信ということなので、想像してたような、どうしたら若く見えるというような
内容ではありませんでした。 
これまでに見た健康番組や本や新聞の情報などで、あらかた自分の中での健康に
対する知識はかなり増えてますが、この本も、なかなか興味深い内容で
なるほどなるほどと思うことが多かったです。 
氏の家系は、医師で、医者の不養生で先祖は早死、ゆえに実践し始めた健康法の
数々が、医学的見地から切り込んでるので、わりと納得できるといえます。 
でも、ごぼう茶は飲みたくないし、一日一食はとても真似する気にはなりません。 
一貫して言ってることは、病気になるのは悪い生活習慣・不摂生によるもの。
ガンの発生のメカニズム
免疫を高め過ぎてはいけない
甘いモノを食べると血管が傷つく
スポーツをすると健康になれない
冷え性の人こそからだを冷やす 
風邪をひいたら安静は間違い
糖尿病のメカニズム
など、気になる内容がわかりやすく書かれていて
取り入れるか取り入れないかは個人の自由として私には
賛成できる内容が多かったです。
最終的には食べ物に言及していて、果物・野菜・魚はまるごと皮まで食べると
なるのですが、できかねることも多々あります。 
ですが、腹6分目はさもありなんなんでしょうね。 
でも、あまりストイックだと長続きはしないこと必至。
ことに私のような食べすけには、無理が多いです。
別に長生きしたいと思ってる人はそう多くないと思いますが、
日々は楽しく過ごしたいもの。 
やはり、少々気をつけながら生きていきたいと思うこの頃です。 
南雲先生が今後、どのように人生を展開されるのかも、興味ありです。
[PR]
by kimikitak | 2012-11-01 22:35 |

13階段

e0117945_15334969.jpg
宮部みゆき氏絶賛!!!
手強い商売仇を送り出してしまったものです。(本書解説より)
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、
刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。
だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。
処刑までに残された時間はわずかしかない。
2人は、無実の男の命を救うことができるのか。
江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。


ジェノサイドを読む前にこちら、
だいぶ前に読んだので、はらはらした感覚が思い出せません。
登場人物は、傷害致死罪で服役した青年、その刑務官、恋人、両親・弟
殺された青年の父親、保護司、弁護士、保護観察下におかれてる男、
過去のあったホテルオーナーなど、
記憶を失った死刑囚をとりまく人間関係が複雑にからみ合って、 
後半部分は誰が真犯人なのか?想像しつつ読むことに。
主人公ともいえる生涯致死罪で服役した青年三上の
両親や弟の心情など、ため息のでるような描写が上手だな~と
思いつつ、 
ちょっと無理があると感じるところや、終わり方のドタバタなどは
残念な気になりましたが、全体さーっと一気に読みました。
それよりも、死刑について執行のシステムや、その時の政治、法務大臣とのかかわりなど
妙に詳しくなって、あらためて考えさせられます。
裁判と冤罪の関係も、不条理なところがあり、不平等感なども否めないのだと
あらためて感じました。  
また、刑務官という過酷な仕事も初めて知ることも多く、
かなり勉強になりました。 
この難しいテーマを、文章にして、ミステリアスな物語にして、読み手を引っ張る力に
次なる期待もこもった受賞だったのでは?
 
[PR]
by kimikitak | 2012-10-23 20:25 |

鳥重 東山とし子さんの本

e0117945_1371444.jpg
「ぶつよ!」「もう飲んじゃダメ」。渋谷のんべえ横丁の小さな焼鳥屋を60年間守り続けた女将が、
お客さんに口癖のように語る名文句です。
イチロー、石橋貴明、秋元康、ホリエモンといったグルメ有名人に愛され、
もちろん無名の常連客にも愛される奇跡の焼き鳥屋。
予約は3か月先。美味しいのは当たり前。
女将と話しているうちに、だれもが元気をもらい、帰り際には誰もが次の予約をしてしまう。
元気が出る女将の言葉の数々。
親から継いだ店ののれんをたたむわけにはいかない、
その一心で、身を削って、安く、美味しい、焼き鳥を作り続けた女将の生き方に、
日本女性の素晴らしさを感じない人はいないでしょう。



2011年年末に一度だけ訪れた 鳥重さん
味にも、おかあさんの佇まいにも大感動した鳥重体験。 
そのとき、本が出るからと、メールアドレスを記してきたのですが、
講談社からメールがきて、鳥重のFacebookからアマゾンで予約。 
たった一度しか行ってないのに、おかあさんの本がすぐにも読みたくなる
おかあさんに一目惚れでした。 その名は東山とし子さん、御年、71歳。
この本の写真撮影は浅井慎平さん。 料理写真は断っていた氏も、
常連だったこのお店のためならと、リアルな写真となってます。 
お店に行ったときは、忙しく働くおかあさんの姿は、あまりよくは拝見しませんでしたが、
本に載ったとし子さんは美人です。  
食べてるときもしょっちゅうかかってくる電話 「鳥重でございます」のその声の
上品だったこと! 
このおかあさんと美味しくって安いこのお店のファンは、この本を
手に入れたかたも多いと思います。 
まさに鳥重のすべてがつまってました。 すべてはおかあさんの語りから編集された
ようなので、戦後から今日まで、飾ることなく真摯につむがれています。 
秘密であってもよさそうな、仕入れ先から、たれや調味料、お酒やワイン、使ってる炭、
仕込みから、片付けまで、すべて本当のことが語られて淡々と潔いです。 
営業中はトイレにたつこともできない、立ちっぱなし。 6時から3回転が終わると日付が変わる頃。
その後、ご主人が迎えに来て、二人でお店の片付け、洗い物、 換気扇の掃除、火鉢の処理、
すべて終わって家に帰ったらすぐ、仕入先の留守電に明日のものの注文。
その後、お店でだす漬物のしこみ、家の食事の準備、などなど、寝るのは4時半。
起きるのは9時半、すぐに鶏の仕込みにかかって3時頃まで。 
日々の過酷さは半端無さそうです。 
実は、とし子さんはこの商売が好きではなかったらしい。  
お父さんが亡くなり、母、兄と亡くなったあとを、意地で守ってきて、今では
天職となったとも。 
子どもが小さい頃は、勉強もみてやれない、一緒に過ごせない辛さも味わった。 
とし子さんは家族愛に満ちた方、だからでしょうか、お客さんにも人間愛で
接してるのかもしれません。 
お客さまに感謝といいながらも、きらいになることも、それは無断キャンセルする輩。 
そんなことの繰り返しから、このお店のルールが自然とできたのでしょう。
来店するな著名人のエピソードも、とし子さんならはな切り口で語らてるのも興味深かったです。 
たとえば、以外と背が高い美人、「あなた、たまに宮崎あおいさんに似てるっていわれません?」って
お聞きしたら、「本人です」で、大笑い。 ご両親はよく来店してたのに、娘自慢もしなかったとか。

これだけの仕事をこなした方だからこそ光ることばがいっぱい詰まった本ですが、
「人間はこの世を去るまで失敗の繰り返し」
「きょうから何もしなくていいんだでは、人間ダメになります」
「親というのは、子どもの声ひとつでだいたいわかります」
「母にならって男女差別はいたします」
「嫌なことを先にかたづけ、いつでもできることは後回しに」
「女らしさとは、自分自身に与えられたことをしっかり務めながら、主義・主張を
しっかり述べることができること。家庭をしっかり守り、いつでも夫の片腕となれること」
などなど、ちょっと古いと感じることもお母さんが述べると、そうだな~と思ってしまいます。 
鳥重がなくなったらどこにいけばいい?おいうお客さんには
渋谷マークシティの近くの「鳥竹総本店」がオススメだとか。

この12月でお店を閉めて引退したら、お母さんは、何をなさるのでしょうか。 
引き際も肝心、健康に生んでくれた親に感謝して、休むことなく続けたことももう終わり。 
もう一度くらい、あの焼き鳥が食べたかった、あのお母さんの仕事もみてみたかった
と思わずにいられません。  何せ予約とれませんし。
最後の最後のお客様はどんな方なのでしょう?  


おかあさんの美しい字
[PR]
by kimikitak | 2012-10-08 14:20 |