チャイルド44

e0117945_2292821.jpg チャイルド44
これは、姉からまわってきたので、何気なく読み始めましたが、
のっけから衝撃的!恐ろしいけれど引き込まれました。
1935年のスターリン政権下の旧ソ連の
飢餓状態にさらされているある村の悲惨な状況から始まる。
久々に、読み応えのある大作に出会った感じ。
プロットの組み立てが絶妙。
上巻は、スターリンの恐怖政治が、いかなるものか
これでもかというほど、詳細に描かれていて、本当に恐い。
スターリンという人は、身内をも粛清したという人。
この国に暮らしていた人民は、いつ、自分が告発されるか、
恐怖の毎日にさらされていたらしい。
主人公は、この国家に盲目的に尽くす上級捜査官レオ。
そんなレオを遠い目で見る妻。
映画、『追いつめられて』のKGBのスパイ、ケビン・コスナーを
思い出しました。
1953年、スターリン死亡。
下巻では、左遷されたレオが、猟奇的な子ども連続殺人を捜査
する本題にはいっていきます。
チャイルド44の44は、殺された子どもの数。
’革命を成し遂げた偉大な理想国家に犯罪は存在しない’という
建前のもと、結果、殺人鬼が野放しになり、捜査も国から妨げられる
という、理不尽な状況。
たちはだかる執拗なまでの困難をのりこえて、
権力側の盲目的な忠誠心から解き放たれて、
人間として変貌していくレオ、その周囲にでてくる人物の描き方、
変化していく心情など、とてもリアルで映像的。
実際に、これは リドリー・スコット監督で映画化されるらしいです。
内容が複雑だし多いので、映画ではどうなるのでしょうか。
この話に多少の矛盾やありえない偶然などがあるにしても、
すごく読み応えがありました。
この作者は、まだ29歳の英国人。
次の作品を出したら、絶対に読むという気になってます。
この本は、ロシアでは発禁本なのだとか。





収容所列島  ソルジェニーツィン
スターリンの農業集団化と飢饉テロ
国家保安省の策謀

子どもたちは森に消えた  ロバート・カレン
 (アンドレイ・チカチーロの犯罪)
なで肩の男   リチャード・ラウリー

歴史調査、回顧録、日記など
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by kimikitak | 2009-01-10 22:57 |
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