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月下上海

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スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子は、
戦時統制下の日本を離れ、上海に渡った。謀略渦巻く魔都・上海で、
多江子が出会う四人の男たち。
憲兵大尉・槇庸平、民族資本家・夏方震、
医学生ながら抗日運動に身を投じる黄士海、
そして多江子の前夫・奥宮瑠偉。いま、運命の歯車が回り始める―。
第20回松本清張賞受賞!



以前みたテレビ番組で食堂のおばちゃんこと山口恵以子さん を知り、
彼女の作る食堂のごはんがあまりにもおいしそうでビックリ、
そんな忙しい人が書く小説に興味がわき、受賞作を読んでみました。
上海の様子が目に浮かぶようで、
当時の租界の活き活きとした様子や、一転地元民のあぶない界隈など
行ったこともない上海にノスタルジックな気持ちになりました。 
ストーリーはわりと展開がはやく、登場人物も戦時下ということで
濃い人たちばかり。
主人公の多江子は情熱の人。手ごわい女。とりまく男たちも、ただものにあらずで、
誰かモデルとなる人物がいるのかと思いましたが、そうでものないようでした。
(菊池寛など実名ででてきたので)
すとんと場面も移動して、少々読みにくい部分もあったものの、
全体的にハラハラして、おもしろかったです。
生きていくのに必死だった時代、立ち向かう派のお嬢様は、
いつ何どきでも、強く美しい。 こんな激しい人は、お付き合いしたこと
ないのでわかりませんが、魅力的に描かれてました。 
壮大な話なんだけど、感銘を受けるというより、エンタメ作品と云った
感じでしょうか。 

この話のあとは、一転、「食堂のおばちゃん」を借りてみました。 
角川春樹さんに、食堂の話を書いてと言われてたようです。 
  

 
by kimikitak | 2015-10-09 11:51 |
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