夫婦が暮らす どこでもない場所 夫婦って、家族ってなんだろう? 愛でも嫉妬でもない、なにかもっと厄介なものをど真ん中に抱えて、 私たちはどこへ向かうのだろう? 3LDK35年ローン、郊外のマンションに暮らす30代夫婦の生活を揺らす、 さざ波のような出来事を通して、現代の家族のあてどない姿を リアルに描いた傑作長篇小説。 記憶系の天才少女だった房子。 駅名とか、国旗とか、やたら覚えている少女だった頃、テレビに出て もてはやされた過去がある。 上海ツアーで知り合った宗ニと房子、しれっとした夫婦で 熱い思いを抱くでもなく、おもしろ楽しく暮らすわけでもなく、 現代の30代夫婦、我々とはギャップがあるにしても、なかなか理解しにくい二人。 どこにでもいる夫婦とは言いがたい、子どももいなくて、何を目標にするでもなく あてどない二人。 きっと友だちになるのは難しいタイプ。 角田光代らしいといえばいえる、ちょっとひねった会話や、客観的視点、 とにかく活き活きしてないような感じに好感が持ちにくいので、少々読むには難儀でした。 仕事場近くに小さな部屋を借りるという夫に、複雑な思いの房子。 宗ニの母が、どこか田舎から上京、第二の人生を歩もうと お見合いパーティに参加するといった、ビッグなできごとに翻弄される。 宗ニ母、苦労人のようで、言動も少々ガサツ。この手の言葉遣いには ひいてしまいそう。 房子との掛け合いもおもしろいものの、相容れないままの様子。 そんな雰囲気をうまく描いているのはさすがですが、なんだか やる気ない房子に、イラッとします。 思えば、登場人物全般に、好感度の高い人物がいなくて、読みつつ イラッとすることが多かったかも。 部屋を借りたがゆえ、会社のバイトのキテレツな女と浮気まがいに陥る宗ニ、 そのキッパリしない様子にも腹立たしさが… ひょっとすると、イラッとわざとさせる?角田先生の狙いかな?と 思えるほど。 う~ン、殺人事件読んでたほうがスッキリするかな? なんて思っちゃいました。 オシャレな言い回しとか、とっても凝ってる文章だと思うのですが、 成り行きもミステリアスだったりもしますが、どうもなんだかな~と思いつつ とうとう最後まで読みました。
by kimikitak
| 2014-05-28 21:09
| 本
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