銀二貫

e0117945_216040.jpg
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。
大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、
商人の厳しい躾と生活に耐えていく。
料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、
またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。<
br clear=all>
めったに手にとることのない時代小説。 
ベストセラ-にもなってたし、新聞にも紹介されてたので、
軽い気持ちで読み始めたら、先が気になってとまらない。 
鶴之助(松吉)を銀二貫で助けた和助、
大阪天満宮に寄進するための大金をこんなことに使ってしまった主に
憤懣やるかたない番頭善之助、
善之助に認めてもらえないことを悲しく思う松吉
そんな3人を軸に、この寒天問屋をとりまく人々、
すべてわかりやすい人物像で、いいもの、悪いものに分かれ、
時代劇を見るようです。
だからといって、薄っぺらではないところがまたいいのです。 
大阪商人の心意気、和助という人、先を読む力も素晴らしく、お金の使い方は
決して死に金にならず、いつも周囲をいたわることになるところは、
読みながら、先が想像できても、心地よいなりゆきで嬉しくなります。 
解説によれば、高田郁(カオル)という作家さん、
作品に登場するお料理、全部自分で作ってみて、納得いかないと執筆しないらしい。 
この度は、寒天料理、しょっちゅう寒天をふやかして格闘してたようです。 
寒天作りの製造過程も興味深く、天草と水の産地の相性や天場の様子など、
詳しく知るにつけ、寒天の奥深さに驚きましたが、その資料集めひとつも
他人任せにしないため、効率の悪い取材活動の連続の果ての作品らしく、
簡単に読んでしまうのは悪い気がするという解説者に、なるほど~と1票でした。
大阪弁の作品ですが、時代にあったことば、使いまわし、
大阪商人の気質も、ありありと描かれて、みたこともないのに昔の
風物が目に浮かぶようでした。 
この時代の火事のおそろしさも半端なく、何度となく辛い方向へいきそうで
ハラハラドキドキ感もあります。 
この作者の、みおつくし料理帖のシリーズも読んでみたいと思いました。
[PR]
by kimikitak | 2013-08-18 21:45 |
<< ボブとお別れ ミミがっくり ハロ >>