プリズム

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いま目の前にいるのは、私が愛した“あなた”ですか?
かつて誰も経験したことのない、切なくミステリアスな恋愛の極致!!

世田谷に古い洋館を構える資産家の岩本家に聡子は足を踏み入れた。
美しい夫人から依頼されたのは、小学校4年生になる息子・修一の家庭教師。
修一と打ち解け順調に仕事を続けていた聡子だが、ある日、屋敷の庭を散策中に、
離れに住んでいるという謎の青年が現れる。
青年はときに攻撃的で荒々しい言葉を吐き、聡子に挑みかかってきたかと思えば、
数日後の再会では、陽気で人当たりが良く聡子を口説いてからかったり、かと思うと、
知的で紳士然とした穏やかな態度で聡子との会話を楽しんだり……。
会うたびに変化する青年の態度に困惑するが、屋敷の人間は皆
その青年については口を硬く閉ざすのであった。次第に打ち解けていく青年と聡子。
やがて、彼に隠された哀しい秘密を知った聡子はいつしか彼に惹かれはじめている自分に気づき、
結ばれざる運命に翻弄される。
変幻自在の作品を生み出す著者が書き下ろした、哀しくミステリアスな恋愛の極致。


かなり前、友人がおもしろいと言って図書館返却の期日が残っていて回してくれたので
読んでみました。乖離性同一障害(多重人格)がテーマということでちょっと興味がわきました。
映画では、シークレット・ウィンドウや、ファイトクラブなど少々記憶あり。 
主人公の梅田聡子が、解離性同一障害の青年のいくつかある人格のひとりに恋をする
という物語なのですが、要は不倫で、まずはこの梅田聡子に感情移入できなくて残念。
多重人格の人の多くは『幼児虐待』と深く関係してるらしく、
虐待を受けて、死ぬか発狂するか、人格分離をおこすしかない。
虐待から逃れるために自らの記憶を消し、避難用に創りだした「人格」に
記憶を書き換えることで生き残るのだそうです。
巻末の参考文献の量を見れば、百田氏、多重人格についてかなり調べたのだと思われます。 
多重人格の青年は、父親からひどい虐待を受けてその描写も生半可ではなく
少々読んでて辛くなる部分がありました。
この青年は最初、12の人格を持っていて、催眠療法に人格統合され5人になり
さらに聡子との絡みにより、人格が統合されていくのですが、
そこに聡子という、あまり共感できない女性の出現で、話はややこしくなり、
読んでても、青年の人格の誰のどれだかこんがらがって、中だるみの感が
ぬぐえませんでした。 
ちなみに聡子さんは、すらりとした美人。うめださとこって名まえ、美人に結びつきませんが^^
青年の人格のうちのひとりは大阪弁で真っ直ぐで凶暴、スタバでろくでもない若者を
どなりあげる場面などは、ちょっと小気味良かったりもしましたが、
恋愛方向にどんどんなるほどに、興味が薄れていきました。 
作品としては好きになれませんでしたが、人の心のメカニズムについて感じるところが
多々ありました。  
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by kimikitak | 2013-02-21 20:43 |
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