鍵のない夢を見る

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望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。
そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。
待望の最新短篇集。
誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、
結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、
出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行――
日常に倦んだ心にふと魔が差した瞬間に生まれる「犯罪」。
現代の地方の閉塞感を背景に、ささやかな欲望が引き寄せる奈落を鮮やかにとらえる短編集。
ひとすじの光を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す著者の筆が光る傑作。


仁志野町の泥棒
石蕗南地区の放火
美谷団地の逃亡者
芹葉大学の夢と殺人
君本家の誘拐 


2012年 第147回 直木賞受賞


初めて読む辻村作品 
これを読んでおもしろかったら、順次読もうかと思って借りたところ、
すっかり嵌りそうな気が。 
この短編は、話の展開の先を知りたくなるのですぐに読めてしまいますが、
想像どおりの結末とは簡単にいかず、ドキドキします。 
1話めの盗癖のある母親と町の大人の対応の間で、揺れて傷つく
子どもたちの話が、成長したあとあとまで痛く心に残ります。
小学生の多感な時期の心理描写、また中学・高校・おとなになる過程での
心理描写が、とてもみごと。 
他の作品と違って、この主人公ミチルがいちばんわりを食った感じでずっと心に
ひっかかりました。 
近年におこった事件をモチーフにしてるのかと思うところですが、
出てくる人物と、会話、心理、どれもリアリティをもって描かれてて
引きこまれます。 
気持ち悪い、こんな人イヤだって思うタイプの現代の男たちがでてきます。
こちら歳もいったので、すぐダメ出しですが。 
瞬間、いい人だったりするので、複雑な女性心理を呼び起こします。
辻村さんもお子さんを育ててるようなので、最後の作品は、身を持って感じつつ
構想したのでしょうか? 

他の作品は作品同士がリンクしてるようなので、読む順番があるとのこと、
それに則って読んでみたい気になりました。
文章も読みやすく、心理描写のみごとさに惹かれました。 

 
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by kimikitak | 2012-11-15 13:15 |
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