舟を編む

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言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを
謳いあげる三浦しをん最新長編小説。

【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。

玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、
人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、
辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。

定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。

個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。


2012年 本屋大賞 第1位!!

図書館3桁待ち、ようやっとまわって来ました。
読んだ人は一様に「良かった」と言ってましたが、やはりおもしろかったし、
興味深くもあり、読み応えもありました。 
2013年4月には映画化されるようです。 
主人公馬締(マジメ)は松田龍平
香具矢は宮崎あおいのようです。
とすると西岡チャラオはオダギリジョーなのでしょうか。

「言葉は、言葉を産み出す心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。
 また、そうであらねばならない。自由な航海をするすべてのひとのために編まれた舟。」
これは、辞書づくりに生涯を捧げ、病に倒れた松本教授のことば。

今でこそ、意味不明と思えばネットで検索できる時代になったものの、 
辞書の役割がなくなったわけではない。
 
ひところ、分厚い『日本語大辞典』をランダムにめくって、いたく感動したことがありました。 
パッとページをめくって、そこにある写真や、今まで知らずにいた言葉に
日本語の奥深さを感じたりしてました。 
当たり前のように見てた辞書ですが、そこには驚きの苦労と努力に積み重ねがあった
こと、この本でよくわかりました。
時代が変わっていく中で、辞書も姿を変えるのですね。  

堅物で、変人の馬締。
馬締の才能を見出したチャラオ西岡。
馬締の恋の相手、板前の香具矢、
どの人も、成長していく。 
その成長がとても素敵に描かれてます。  
後半では、ファッション誌から転属になった岸辺みどりが、 
地道に才能を発揮する。 
辞書づくりの果てしないドラマ、十数年かけての大仕事における
人間模様、そこに出てくる人々の情熱。
どの人も成長していく中でも魅力的です。
読者は夢の様で達成感も味わえる、
そんなドラマだと思いました。 
言葉、ここまで長く生きてきても、知らないことばが山ほど。 
ネットで見るのと辞書で調べるのとでは、また違うでしょう。 
言葉の大切さ、日本語の美しさをまた認識した1冊でした。 


 



 

 
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by kimikitak | 2012-09-17 21:16 |
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