ばんば憑き

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湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。
不機嫌な若妻をよそに、世話を焼く婿養子の夫に老女が語り出したのは、
五十年前の忌まわしい出来事だった…。
表題作「ばんば憑き」のほか、
『日暮らし』の政五郎親分とおでこが謎を解き明かす「お文の影」、
『あんじゅう』の青野利一郎と悪童三人組が奮闘する「討債鬼」など、
宮部みゆきの江戸物を縦断する傑作全六編。



アリスさんのレビューを見て、図書館にリクエスト。
妖怪というかもののけの話でしょうか。
しかもお江戸、どの話も、深いワケが潜んでいて、知りたくて
読み進まずにいられません。 
最初の『坊主の壺』
江戸の町に疫病、コロリが発生。おすくい小屋を立てて、人々を助ける商人重蔵。 
これは、コレラなんでしょうが、人がバタバタと死んでいく。
江戸の風物が目に浮かぶような描写にまず惹かれます。
掛け軸の壺の聖なる不思議な力、最後に謎があかされ、息がぬけない。
主人公、玉の輿のおつぎの強さ・あたたかさが魅力的。
この話、好きでした。
『お文の影』も好きでした。 
咎なくして死んだ幼子。これは現代にも通じる折檻。 
コンビュータ頭脳のおでこの活躍、そのキャラクターが魅力。 
読み応えがあって頭に残りそうなのが『討債鬼』
ハマりやすい私は、すぐさま与太話を持ちかける坊主、行然坊を
憎き嘘ワル坊主と決めつけましたが、深考塾の子供ら三人組の活躍で変わっていく
成り行きで、キャラクターも明らかに。 
そうでした、何事も、決めつけてはいけないのでした。 
この子どもらは、〈あんじゅう〉にも出てくるらしいので、読みたいです。
表題作の『ばんば憑き』立場の弱い婿、佐一郎とわがままな妻志津。
そのわがままっぷりがひどく、憎たらしい娘であることが判明。
老女との一夜で、将来がみえてきた佐一郎。 
かわいそうに。ばんばとは、強い恨みの念を抱いた亡者。
ばんばの生きてきた過去は強烈でした。 
最後の『野槌の墓』も印象的。
もののけに心があったらいけませんか?というお玉さん=化け猫。
人間のおぞましさが描かれてます。 
そうそう『博打眼』もありました。 
人が生贄になってできた博打眼
博打眼から人を助ける狛犬。
博打打ちを戒めているのかな? 
おもしろいです。 
どの話も内容が濃く人の世の業がよく現れていて、現代にも通じる教訓も潜んでいるような、
いい話でした。 
宮部みゆきを多くの方が絶賛するのもわかりました。
私自身は「理由」以来あまり読む気がしなかったのですが、この先は
読んでみようかな。 
読ませる文章、量産できるのはあふれる才能なのでしょうね。
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by kimikitak | 2012-04-28 11:04 |
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