ビブリヤ古書堂の事件手帖

e0117945_2062364.jpg
鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。
そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。
だが、初対面の人間とは口もきけない人見知り。
接客業を営む者として心配になる女性だった。
 だが、古書の知識は並大抵ではない。
人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、
いわくつきの古書が持ち込まれることも。
彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
 これは栞子と奇妙な客人が織りなす、“古書と秘密”の物語である。



俺(五浦大輔)の一人称で語られる話で、俺は二十三歳にして就職も決まらず、体力だけ
ある青年。子どもの頃にある理由から本を読むことができなくなる。
一方、ビブリア古書堂の店主篠川栞子は美貌で本好き、怪我で入院中ながら本に埋もれている。
古書堂で働くようになった大輔と、入院中の栞子と連携して古書にまつわる事件を
解決していく短編連作。
1.夏目漱石「漱石全集・新書版」(岩波書店)
2.小山清「落穂拾い・聖アンデルセン」(新潮文庫)
3. ヴィノグラードフ・クジミン「論理学入門」(青木文庫)
4. 太宰治「晩年」(真砂屋書房)
どの章も、事件は傾向も違い興味深く読み進めますが、
最初の漱石は、大輔自身の生い立ちにも関係。
最後、この連作の〆となる栞子自身に起こる話はセンセーショナルで、
よくできた結末だと思いました。突っ込みどころは多々あるとは思いますが、
古書の曰くなど、知識を得るのもおもしろく、痛快でチャチャっと読んでしまいました。
落ち穂拾いなどは読んでみたくなる一冊。
『せどり』ということばも初めて知りました。
  1.せ‐どり【背取】-日本国語大辞典
〔名〕古書売買の業界で、同業者の店頭から転売を目的として古書を抜き買いすること。

すでに二巻目も出ているので、これはシリーズ化するのでしょうか。
三上延という作者も相当な古書マニアなんだと思われます。 
書道の本を探したりするのに、時々駅前の古書店にときどき立ち寄りますが、
書道関係のものなどすごく古いものもあったりして、どなたが使ってたのだろうか、
どうして古書店に持ち込まれたのだろうか、など考えるときもあります。 
この文庫を読んで、古書店という存在がなにやら魅力的に思えてきました。  
[PR]
by kimikitak | 2012-04-04 20:55 |
<< ミミの態度 リコッタチーズ >>