そうか、もう君はいないのか

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天真爛漫な面影、声にならぬ悲しみ。凜として純真な愛に満ちた、妻との半生記。

最愛の妻・容子が逝った……。
特攻隊から復員した学生だった頃の奇跡的な出会い、
文壇デビュー当時の秘話、取材旅行の数々、甦る人生の日々。
そして衝撃のガン告知から、二人だけの最期の時間。
生涯、明るさを失わなかった妻よ、君は天から舞い降りた妖精だった……。
昨春、少年のような微笑を浮かべて逝った著者が遺した感涙の手記。



以前、アリスさんの感想も拝見し、いつか読もうと思いつつ、
ブックオフで文庫を見つけ、最近になって読みました。
文庫の解説は児玉清さん。 
児玉氏も昨年、77歳で故人となってしまいました。
「清々しく身を包む深い感動の波に心をふるわせながら、無常な天を仰いだものだ。
 なんと素敵な夫婦だろう。なんと素晴らしき結婚生活だろう。
 湧き上がる羨望の念とともに最愛の妻を失った城山三郎さんに心の底から
 シンパシーを抱いたのだ。長年連れ添った相方に先に逝かれる恐怖は
 年を重ねるごとに増してくる。しかし別れのときは必ず来るのだ… 」
と書かれてます。児玉氏は後に残されることなく天国にいかれたわけですが、
お二人とも、素晴らしい伴侶と良い人生をおくられたのだと思いました。 
次女の方のあとがきに、「通夜も告別式もしない、出たとしても喪服は着ない。
お墓は決めても墓参りはしない。駄々っ子のよう、現実の母の死は拒絶し続けた。」
「その後も母との終の棲家には帰れず、仕事場が父の住居と化してしまった」と
自分の半身がそがれてしまったようなショック、憔悴の様子、いかに悲しみが深いか
が記されてますが、その後、ひとりになった7年間は、さぞやお辛かったのでしょう。
本文では、容子さんのこと、夫婦のこと、日々のこと
思い出すべてが詰まっていて、妻に対する愛情の強さが随所にうかがわれました。
これほどまでに愛される奥様もそうはいないのでは?と思いながら、
美しい日々、キラキラと愛情に満ちた人生に感動いたしました。
戦争、しかも特攻隊、過酷な時代を過ごした青年期があって、人生を大切に生きる
姿勢が、このようなピュアで豊かな愛情となるのでしょうか。 
時代が変わり、家庭内の問題もいろんなカタチとなって増えつつありますが、
昨年の震災以来、また家族の大切さも叫ばれるようになりました。 
夫婦のあり方、家族のあり方、考えるべきときなのでしょう。 
このタイミングにこの愛情あふれる本を次の方にまわしたいと思います。
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by kimikitak | 2012-03-10 16:20 |
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