ふがいない僕は空を見た

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これって性欲?でも、それだけじゃないはず。高校一年、斉藤卓巳。
ずっと好きだったクラスメートに告白されても、
頭の中はコミケで出会った主婦、あんずのことでいっぱい。
団地で暮らす同級生、助産院をいとなむお母さん…16歳のやりきれない思いは
周りの人たちに波紋を広げ、彼らの生きかたまでも変えていく。
第8回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞受賞、
嫉妬、感傷、愛着、僕らをゆさぶる衝動をまばゆくさらけだすデビュー作。


第24回山本周五郎賞
アリスさんのレビュー で読んでみたくなり、図書館にオーダー。 
かなり待って、忘れた頃に読みました。
最初は若者の実態、で、心がついていくかどうかと思ったものの、
テンポの速いストーリーなので、グイグイとよみ進みました。 
ここに載せようとサマリーを検索したら、映画化されるとわかりました。
ちょっと前のNHKドラおひさまにでていた永山くん、
コスプレ主婦で、高校生斉藤君をたぶらかす主婦役に
田畑智子は、ぴったりと思いました。
賞をとって、映画化、その事実をもってしても、
よくできた作品であることは明らかです。 
いちばんめの章でのどぎつい描写から始まって、
各々の章を、関係してる高校生たちの告白めいた日常が
明らかになります。
貧乏をかこつ福田くんに勉強の楽しさを教え、
進学して貧乏から脱出するよう勧める
アルバイト先の問題のある知性的な男も、
その性癖が明らかになるにつけ、現代を浮き彫りにしているようでした。
卓巳に思いをよせる女の子七菜とその秀才の兄が
転落していくさま、その後など 
スリルもあって、その成り行き・展開にもハラハラしました。
過激だったり緻密だったり、最初の主人公の卓巳の
その後にも興味がわきました、というか、どうおさまっていくのか、
再生する道はあるのか、親心に近い心境となりました。 
卓巳のお母さんである助産院を経営している母、
仕事に逃げながらも息子を見守る、たくましい母でありました。
およそ、現代の問題をてんこもりにしてるとみましたが、
無駄な表現のない、奥深い作品だと思いました。 
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by kimikitak | 2012-01-28 20:20 |
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