九月が永遠に続けば

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高校生の一人息子の失踪にはじまり、佐知子の周囲で次々と不幸が起こる。
愛人の事故死、別れた夫・雄一郎の娘の自殺。
息子の行方を必死に探すうちに見え隠れしてきた、
雄一郎とその後妻の忌まわしい過去が、佐知子の恐怖を増幅する。
悪夢のような時間の果てに、出口はあるのか―。
人の心の底まで続く深い闇、その暗さと異様な美しさをあらわに描いて
読書界を震撼させたサスペンス長編。


沼田 まほかる
1948(昭和23)年大阪府生れ。主婦、僧侶、会社経営などを経て、
2004(平成16)年『九月が永遠に続けば』でホラーサスペンス大賞を受賞してデビュー



『猫鳴り』がとても引き込まれて、文章も好きだったので期待して読んでみたのですが。 
こちらは、えぐい、なんともやりきれないような話。
途中でちょっと嫌気がさしたのですが、なんとか最後の結末まで。
 
高校生の息子文彦が母親佐和子が頼んだごみを捨てにいったあと、
突然失踪するというのだから、あぁ、あのごみ捨てさえ頼まなければ...
と思わせるところ、興味深い始まりではありました。
父親雄一郎は精神病院の院長、佐和子と離婚して、患者だった亜沙実と再婚している。 
亜沙実の美しい娘冬子、冬子と付き合いのある教習所の教官をしている青年犀田、
その犀田と関係をもつ佐和子。文彦を好きなカンザキミチコ、
教師として全うでない過去を持つ担任越智、出てくる登場人物がどこか暗く歪んで
暗い雰囲気をかもしています。 
息子の失踪に気の狂わんばかりの佐和子の家庭に出入りする
同級生ナズナと服部の父娘。 関西弁で無神経な服部の言動に
心底イラ~っとさせられますが、この服部がいちばん健全なおじさんといえそうです。 
こういうイラ~っとさせられるところは、猫鳴りのときにイヤというほど味わいましたが、
そういう運びがとても巧み。 
中盤、亜沙実の過去があらわになっていくに従って、ウンザリとなりますが、
ここから先はもう、文彦がどうなってるか知りたくて先へ進むしかありません。 
なぜ、犀田が線路に落ちて死ぬのか、佐和子と服部が推理する部分が、かなりくどくて
ここもイライラさせられますが、もったり感によるところ。  
最後は、なるほどそう繋がったのかとなりますが、どうにも読むのに時間がかかって
しまいました。
狭い登場人物のこみいった人間関係!妖しい怪しい人たちで、息苦しくなりましたが、
細部へのこだわりを感じました。  
『猫鳴り』にあまりにも感動したので、こちらはちょっと残念でした。 
でも、光る文章も多く、今後またこの作家の作品は拝読したいと思います。  
  
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by kimikitak | 2011-11-26 17:50 |
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