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叫びと祈り

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叫びと祈り 梓崎 優
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、
スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、
ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……
ひとりの青年が世界各国で遭遇する、
数々の異様な謎。綾辻行人、有栖川有栖、辻真先三選考委員を
驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、
美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。
大型新人の鮮烈なデビュー作!



アリスさんのご紹介で興味をもち、図書館にリクエスト
なかなかまわって来ませんでした。
内容は アリスさんのレビューがわかりやすく、その通りといいたいところです。ずるっ!

現実から程遠いと思える行程をジャーナリストという仕事で
旅するひとりの青年斉木の人物像がいまひとつピンとこなかったのでは
ありますが、しっかり読まないとアリスさんがおっしゃっるところの
ミスリードにはまってしまいそうで、ちょっと丁寧に読みましたが
読みきれてるのかどうなのか…
世界各地と言っても、楽しい観光地ではなく過酷な体験の連続。
どこだかの砂漠でのキャラバン、狂信的修道女のいるロシアの修道院、
南米奥地でのエボラ出血熱、斬新なシチュエーションを味わわせて
もらえます。
ただ、下世話にできてる私には、ついていくのがちょっと大変ではありました。
どこへ行っても死と向かい合うわけで、それが異文化であるために
普通の常識でははかれない理由が潜んでいる意外性が
おもしろかったです。   
その中で、’白い巨人’だけは、スペインの風車のたくさんあるコンスエグラ?
と風景がすぐさま想像できます。これだけは、学生時代の仲間がでてきて、
恋愛エピソードもあり、いちばん現実的でしかも明るい結末でした。
斉木の人物像はあまり思い描けなかったのですが、
いろいろ特色ある人物がでてくるのも興味深かったです。
中でも、僻地医療の仕事をする英国人アシュリーは、スティングのコンサートが
きっかけでこの仕事をしてるという不思議な人、でもいそうな人。
最後の祈りで、この人のその後かと思わせるシーンもでてきました。 
作者は、どんな人なのか顔も露出なしということですが、
そうなるとよけいに知りたくなります。  

 
 
by kimikitak | 2011-06-13 21:02 |
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