ミステリー

e0117945_18162952.jpg札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、
志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。
ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。
だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、
それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、
十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく―。
警察小説に新たな地平を拓いた連作集。


2007年 このミス2位  
 
かなり前に読んで忘れ気味ですが、おもしろかった。 
文庫解説(村上貴史)によれば、佐々木譲第三次黄金期の中核をなす一冊
となってました。
警察内部の癒着、ひとつところにとどまることによって腐敗すること
を懸念した結果、理不尽な移動がもたらされ、駐在所勤務になった
巡査部長川久保の活躍が描かれてました。 
北海道警内部の腐敗もひどいこととはいえ、こちらの因習や隠蔽工作も
ゆるがしがたい、そんな土壌が徐々にわかってくるにつれ、ため息ものの
やるせない進展となります。
そんな見えない敵と闘わなければならない主人公が爽やかでした。 
いちばん印象的だったのが、「仮装祭」 この祭りで13年前失踪した少女、
またその事件を踏襲するように少女が消える。 
ローカルゆえに起こる不気味な犯罪、何事もなさそうなのに
おこるところが、ことさら怖い、そんな連作でした。


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第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作 さよならドビュッシー
ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、
帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、
ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、
ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。
それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、
コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。
ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、
やがて殺人事件まで発生する―。


解説(大森望)に、音楽+スポ根+ミステリのハイブリッドとタイトルされてました。 
終盤でおおがかりなトリックが炸裂する=となってましたが、
あ~、なるほどと、最後になってようやく気がつく始末でしたが、
ずっと少女漫画を読んでいるような、その間、有名な曲ばかり魅力的な
クラッシックピアノが奏でられ耳に入ってきます。 
ミステリーとしては、ありえない!ホントに漫画ですが、
なんとなく音楽につられて読みふけりました。 
 

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能登半島の突端にある孤狼畔で発見された記憶喪失の男は、
妹と名乗る女によって兄の新谷和彦であると確認された。
東京新宿では過激派集団による爆弾事件が発生、
倉木尚武警部の妻が巻きぞえとなり死亡。
そして豊明興業のテロリストと思われる新谷を尾行していた明星美希部長刑事。
錯綜した人間関係の中で巻き起こる男たちの宿命の対決。
その背後に隠された恐るべき陰謀。迫真のサスペンス長編小説。


以前、アリスさんのおススメがあったので、読んでみました。 
最近、あとがきや解説が楽しみで文庫で読むのが楽しみ。 
このストーリーも最初、登場人物がわかりにくく面倒になったところで
あとがきへ。 
そうしたら、「死んだはずの人間が生き返ったからといって、
くれぐれも短気をおこして投げ出さないでほしい。」と、ちゃんと
著者のアドバイスがありました。  その上、この作品は構想から完成まで
3年半もかかってることも明かされ、エンタメながら、読み応えがあるのも
当然のこと。
登場人物もじっくりと理解しないとつまらなくなってしまうのでした。
そんなわけで、とっぷりと時間をかけて読んだので
最後の結末は、もったいをつけて、あたるかあたらないか自分なりの
結末を想像したりしながら、楽しみました。 
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by kimikitak | 2011-05-07 19:13 |
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