佐々木譲

e0117945_18313654.jpg
早川文庫2008年5月

[要旨]
1986年10月、ベルリン。
欧亜交易現地駐在員の神崎は何者かに襲撃された。
親会社の共産圏への不正輸出が発覚、
証拠湮滅を図る上層部の指令で命を狙われたのだ。
殺人の濡れ衣まで着せられた神崎は壁を越えて東側へと亡命、
そのまま消息を絶つ―それから五年、
事件の関係者に謎の手紙が届けられ、
神崎を追う公安警察もその情報を掴む。
全員が雨の小樽へと招き寄せられたとき、
ついに凄絶な復讐劇の幕が切って落とされた。
 早川書房 1992 3月
 

タイトルがまず気にいりました。 
共産圏ということばがリアルだった今から思えば懐かしいとも
思える時代のまだ壁がある頃のベルイりンが舞台。 
当時のベルリンのことがよくわかる、行った訳でもないのに
ノスタルジックな感じすらしました。 
最初から飛ばして、ハラハラ・ドキドキ、かなりスピーディな
なりゆきで、目が離せませんでした。 
後半になって、場所は小樽。 ここから復讐劇となるのですが、
想像していた復讐と違い、悪モノの憎らしさも、筋立ても
後半は、サスペンスドラマのような感じになって、ちょっと
前半部分の濃厚さ、素敵さが続かなかったのが残念に思えましたが、
おもしろく読み応えのある作品だと思いました。 
佐々木譲を読んだのは初めてでしたが、文章も読みやすく、また
次が読みたくなりました。
解説によれば、第二次大戦三部作 
『ベルリン飛行指令』 『エトロフ発緊急電』 『ストックホルムの密使』
なども傑作なようなので、いずれ読みたいです。 


e0117945_1973066.jpg 
文藝春秋
2009年07月15日
 直木賞受賞作品
主人公は、北海道警察捜査一課捜査員・仙道孝司。
「ある事件」をきっかけに自宅療養をしている仙道は、
休職中という自由な立場を生かして、
持ち込まれた事件の捜査をします。
警察手帳も持たず、拳銃も持てない仙道が
どのような捜査をするのか? 
ニセコ、夕張などを舞台に、北海道が抱える社会的問題を
鋭く描く第一級のエンターテインメントです。


・オージー好みの村
・廃墟に乞う
・兄の想い
・消えた娘
・博労沢の殺人
・復帰する朝 
6つの短編、どれも書き過ぎず引き算がしてあったり、
結末への余韻を残してあったり、そんな感じが賞に繋がるのかな
などと思いました。 
短編ながら読み応えはありますが、ゆったりしたペースに
なかなか乗りきれませんでしたが、途中、結末を想像したりする楽しみ
もあり、おもしろかったと思います。 
ベルリンの方が、強烈なインパクトがありそのあとだったので、ちょっと
戸惑いました。 
警官の血を読まなければ~ 
[PR]
by kimikitak | 2010-10-27 19:30 |
<< 芋粥 石焼ピビンパ >>