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仇敵

仇敵_e0117945_21523617.jpg講談社文庫 
池井戸潤/〔著〕
講談社
出版年月 2006年1月
620円

[要旨]
幹部行員の裏金工作を追及した恋窪商太郎は、
謂れなき罪を着せられメガバンクを辞職。
エリートから地方銀行の庶務行員となるが、人生の豊かさを知る。
だが、元ライバルからの電話が再び運命を揺るがす―。
不正を知った男は謎の死を迎え、恋窪は“仇敵”
への復讐を誓う。乱歩賞作家、渾身の連作ミステリー。


アリスさんのレビューで読むこと数冊目、すっかりファンになった池井戸潤。 
『鉄の骨』はゼネコンの談合、これは読む前に、ドラマが始まり
第1話を見たところ。 なるほど、そういうこと?
会社のためにボロボロになって働く姿に辛くなりますが、次回が楽しみ。  
最新作『民王』、これは、政治の話らしいですが、
姉にも薦めたら私より先に読んでて、’最初からすっごくおもしろい’
というのですが、 私は順番待ち数人。

この仇敵、銀行マン、エリートから脱落した庶務行員恋窪商太郎が、
探偵もどきでからだを張って悪を裁いていく、痛快な短編連作8話。
メガバンク内にこれほどまでの、悪い輩(それもエリート)がいるとは唖然、
本当にいるかは別として、出世とお金のために、人を陥れ死にまで
至らせるという、もしかしたら、これに近いことはあるのかもしれない
と思いながら読みました。
庶務行員になった恋窪が、上から過分な、もしくは不当な課題を与えられて
苦悩する新人松木を見え隠れしながら支え、松木が銀行マンとして成長して
いくプロセスもみえやすいストーリーながら、気持ちよく、
その上、悪をこらしめるのには溜飲がさがります。
それにしてもワルモノが悪すぎ、ことお金のためならば、したたかに暗躍する黒幕がいる、
2時間サスペンスドラマのようでした。 

 
by kimikitak | 2010-07-04 22:22 |
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