悪人 

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文庫: 272ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2009/11/6)

福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に
殺害された。
二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか?
佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、
何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。
そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。
彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。
光代を駆り立てるものは何か?
その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。
誰がいったい悪人なのか?
事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは?
毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作

 9月に映画
で見ればいいかと思ったものの、文庫で読んでみることに。 
この期に及んで読むと、映画のキャスティングを見てしまったため、
イメージが割り増しされてしまいました。
土木作業員のユウイチ、金髪のおとなしい孤独な青年が妻夫木となると、
カッコ良すぎます。 彼と行動を共にする女も深津絵里では、 
ストーリーもキュルルンとなります。
その他の人物像も、リアルに姿を描きながら読んでしまいました。 
本来のストーリーより、美しく感じるのでは?と思えました。 
本当なら、心に隙間のある人たちばかりが登場し、 
冴えない、つまらない、どうしようもない孤独と向き合わざるをえない、
人たちでした。
しかも、それを埋める手だてが出会い系や、風俗、
(それはさして不思議じゃないのかもしれませんが)
ちょっと物悲しくもあります。 
一人の女の子が殺される、どうしてそんなことになったか?という
プロセス、その娘をとりまく人間関係、 
その人物の描き方が、現代の世相もよくあらわしていて、
興味をひき、どんどん進むのでした。
いったい誰が悪いのか?ということでついたタイトルのように、
あのときこうしてれば...というタラレバの連続で、
’あやうきには近寄らず’そうすれば、こんなことにはならなかった、
という、結果もでています。 
...が、寂しい人間たち、弱いところに入り込まれないように
誰しも要注意なのだと思い、本当に大切なものを
見失わないような強さが必要と思わせる内容でした。 
これはこれとして、映画を楽しみにしたいと思いました。 
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by kimikitak | 2010-06-29 20:03 |
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