無名

e0117945_1958229.jpg一合の酒と一冊の本があれば、それが最高の贅沢。
そんな父が、ある夏の終わりに脳の出血のため入院した。
混濁してゆく意識、肺炎の併発、抗生物質の投与、
そして在宅看護。病床の父を見守りながら、
息子は無数の記憶を掘り起こし、
その無名の人生の軌跡を辿る―。
生きて死ぬことの厳粛な営みを、
静謐な筆致で描ききった沢木作品の到達点。

幻冬舎
2003年9月 1,575円
  
 
旅する力をリクエストしていたのに、長らく待ち人数3から全く進まずイライラ。
棚にあった沢木作品を借りて帰ってきました。 
父上の看取り、時を追っての介護の記録ですが、 
有名な息子が敬愛する無名の父。 
有名な父を描くのとまた違う、親近感がありますが、 
ここまでの敬愛を表せるのは、息子の来し方に対する父の理解と
ご自分の自信が満ちているからだろうと、
さもしい想像をしてしまいました。 
親の最期のときは、今おかれている状況によって各々
できることは違ってくると思いますが、このご家族の看取りは、
とても幸せな最期、89歳の往生と思えました。
沢木氏の生い立ち、プライベートなことなど、
すっきりと正直に語られて、気持ちが良かったです。
生涯、持ち家をもたなかった、定職をもたなかったお父上、
1年間だけ小説家を志した父上、その間家計を支えた母、
小説家をあきらめた父ではあっても、息子がみごとに無名を超えたのは
どんなにか家族は嬉しかったことでしょうか? 
沢木氏が、幼い頃育ったのが、池上だったのを知り、
全くもって関係ないけど、
池上第二小学校を卒業した私は、ちょっとまた別の感慨を
いだきました^^ 単純です。  
 
  
 
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by kimikitak | 2010-05-21 20:25 |
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