流転の海

e0117945_19305379.jpg 理不尽で我侭で好色な男の
周辺に生起する幾多の波瀾。
父と子の関係を軸に
戦後生活の有為転変を力強く描く、
著者畢生の大作。

宮本輝/著
大阪の焼跡闇市から実業家として
再起をはかる松坂熊吾。
豪胆にして理不尽な男が、
五十歳にして初めて子を授かった。
作者自身の“父と子”
を描くライフワークの第一部。


五部作らしいので、心して手にとりました。 
前に読んだ 星宿海への道で、最近の若手作家とは別の
読み応えを感じたので、なにかどっしりとしたものがあるかと… 
著者の自伝的創作らしいので、
時代を読み取りながら、その時代背景の生々しさを
感じました。
登場人物が、曖昧でなくくっきり、それこそみんな食べていくことに
必死なので、今とは違うなりふりかまわない感じが
裏切りすら、そんなこともありなんと、次々に起こる数多の
できごとに気をぬくことができません。 
主人公熊吾(父)の激し人格は魅力的ですが、野蛮でもあり、これが
著者の生い立ちのもとと思いながら読み進みました。
戦争が狂わした周囲のさまざまな人たち、とてもリアルに描かれていました。 
私の年だと、いろんな意味でわかりやすかったり、同調できたり、
目に浮かんだりする部分も多く、そんな意味で
とても興味深く、おもしろい長編、まだまだ続くのは楽しみです。 
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by kimikitak | 2010-05-17 20:00 |
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